妙子2-50
「それで妙子さんは、研という人の言うことを信じるんですか?」
「うん。いけないの?」
「いけませんよ」
「どうして?」
「だから言ったでしょ。そんなの本当のことを言う訳がないって」
「でも、もういいの」
「どうしてです?」
「どう考えても研の言うことは本当だと思うの。もし嘘だったとしても仲直り出来たんだからもういいの」
「でも、そういう男だったら又同じような事を絶対しますよ。相手は又久美ちゃんか別の女になるかは分からないとしても」
「そうかな」
「ええ。浮気というのは病気なんです。それも絶対治らない病気です」
「どうして知ってるの?」
「店でいろんな男を見て来たからですよ」
「そうか。いっつもムスッとした顔して仕事してると思ったら、そんな観察してたの?」
「そうです」
「次郎ちゃんて偉いのね」
「感心なんかしてる場合じゃありませんよ」
「どんな場合?」
「だから、研との関係を考え直さないといけないと言ってるんです」
「どうして?」
「どうして? 僕の話を聞いてたんですか?」
「聞いてたわよ」
「だったら分かるでしょ?」
「分かんない」
「あーあ。まあ、そういう所が妙子さんの魅力なんだけど、だからこそ黙って見てらんないんですよ」
「そう? 次郎ちゃんは親切だからね」
「親切だからじゃありませんよ」
「それじゃ何で?」
「それは・・・」
「それは何?」
「いえ、親切なんです」
「でしょ?」
「次郎は、お前が好きだから黙って見てられないと言いたかったんだ」
「うん。今分かった」
「お前もなかなかやるなあ」
「何を?」
「知らない間に男を夢中にさせてたなんて、やるじゃないか」
「私の何処が気に入ったのかしら?」
「それは決まってるだろ」
「何処?」
「そのデカイおっぱいと此処の形だ」
「キャッ。お店でそんなことしないで」
「少し妬けたからつかんだんだ。嫉妬というのはいいもんだ」
「どうして?」
「見ろよ。俺のチンポが若者みたいにおっ立ってる」
「馬鹿」
「とは言っても嬉しいだろ」
「嬉しくないよ」
「そうか? 嫉妬してチンポ立ててるなんて、お前を好きだという証拠じゃないか」
「そうか。そう言われると嬉しいな」
「だろ?」
「うん。でも恥ずかしい。恥ずかしいからハンカチで隠しちゃおう」
「そんな物置いたら余計目立つ」
「それでどうするの?」
「帰ったらセックスする」
「そんなことじゃなくて」
「何の事だ?」
「だから次郎ちゃんのことよ」
「相手が分かれば心配いらない」
「どうするつもり?」
「当面はどうもしない」
「どうして?」
「此処1ヶ月ばかり襲われてないからな」
「もう諦めたのかしら?」
「初めから1回襲うだけのつもりだったんじゃないかと思うよ」
「そう? どうして?」
「ヤクザだってそんなにしつこい奴は滅多にいない」
「でも、現に2回襲われてるじゃない」
「あれはだから、1回目とは違うんだ」
「何が?」