妙子2-36
「ねえ、又遊園地に行かない?」
「好きだな」
「うん。だって楽しかったんだもん」
「それじゃ付き合うか」
「今度はお弁当作って持って行くの」
「オニオン何とかとチーズ何とかだったら俺は喰わないぞ」
「そんな汁ものお弁当には出来ないよ」
「弁当なんか作らんでいい」
「いいじゃない。楽しいからお弁当持って行こうよ」
「遠足に行く子供みたいだな」
「うん。子供みたいな服着て行こうかな」
「それは好かん」
「子供みたいな服だってセクシーなのはあるよ」
「どんな?」
「こんな短いフレヤー・スカート」
「うーむ。それならいいかな」
「それで上はピッタリしたセーターならどうかしら」
「ノーブラなら、それでもいいとするか」
「えー? ノーブラにするの?」
「いや、待て。セーターはまずい」
「何で?」
「又あのジェット・コースターっていうのに乗るんだろ?」
「うん」
「だったらおっぱいがポロンと出るような服がいい」
「それで今度は握るの?」
「そうだ。この前は見てるだけだったからな」
「研って遊園地に行くっていうのに、そんなことばっかり考えてるのね」
「俺は大人だからだ」
「まあいいや。それじゃ上はおっぱいが出るような奴で、下はスパッツにする」
「スパッツって何だ?」
「エアロビクスの時に着るタイツみたいな奴」
「それでそこの形を見せるという訳か」
「うん。そういうのが好きだと言ったでしょ」
「そうだけどミニの方がいい」
「どうして?」
「外で見る時はチラッと見えるからいい。じっくり見たい時はうちで見る」
「そんなこと言って、人に見られるのが厭なんでしょう」
「それもあるな」
「それじゃ見えそうで見えない服にする」
「見えそうで見えてもいいぞ」
「人に見られてもいいの?」
「少しならいい」
「それじゃ見えるか見えないかギリギリくらいのにするね」
「ああ。俺はお前と一緒になったお陰で行った事のない遊園地に2度も行くことになったな」
「いいじゃない。何度でも行こうよ」
「まあ、夏になったら豊島園にはプールがあるから、それなら行ってもいいな」
「泳ぐのが好きなの?」
「そうじゃない。お前に水着を着せることが出来るからだ」
「そんなの、いつでも着て上げるよ」
「うちで着たって面白くもない」
「水着で外歩くの?」
「そういう訳にいかないから海やプールに行くんだ」
「私の水着を見たいの? それとも他の女の子の水着姿を見たいの?」
「俺は普通の水着姿なんかに興味はない」
「普通の水着姿じゃないって言うとどんなの?」
「小さいビキニだな」
「そういうのか」
「それをお前に着せたいんだ」
「いいよ」
「だから夏までには、せめて腹をもう少し平らにしておけ」
「うん。これでビキニ着ると、ちょっとみっともないからね」
「しかし、みっともなくても夏が来たらビキニ着せてプールに行くからな」
「うん。ビキニなら持ってるし」
「馬鹿。あんなのはビキニと言わないんだ」
「それじゃ何て言うの?」
「ああいうのはセパレーツと言うんだ。ビキニっていうのは小っちゃい三角が3つに紐だけっていうのをビキニと言うんだ」
「私がそんなの着るの?」
「俺が着たって面白くないだろ」
「研が着たら面白いんじゃないかしら」
「馬鹿。毛なんか全部剃らないとはみ出るような奴を買ってやる。楽しみだろ」
「恥ずかしい」
「だから、それまでに少し痩せておけ」