妙子2-25
「良く考えてみろ。此処には久美も働いているんだ。何かあったらそんな所に来て妙子を指名したり出来るか」
「そうか。私って馬鹿だから信じちゃうから」
「馬鹿なことじゃない。信じると言いながら泣いてんじゃないか」
「あんまり嬉しくて泣けて来たのよ」
「おいおい。涙ポロポロこぼしてないで、これで拭け」
「だって」
「もういい。みっともないからそんなに泣くな」
「泣くよ」
「誤解も解けたし、もう泣くことはない」
「研はもう2度と来てくれないと思ってたよ」
「俺の事務所は知ってんじゃないか。会いたければお前の方から来たって良かったんだ」
「だって研はプライドが強いから会ってくれないと思ったもん」
「落ち着いた頃に又会おうと言ったじゃないか」
「随分長かったよ」
「もういいか、まだ駄目かと思いながら我慢してんだ」
「いいに決まってんじゃないの」
「顔を見た途端に、何しに来たんだと言ったじゃないか」
「うん、ご免ね。もうとっくに許してたのに、研の顔見たらあんな言葉が出ちゃったの」
「さあ。もう本当に泣くのはよせ」
「うん」
「俺も久しぶりにお前のデカイおっぱい見たら泣けて来そうだ」
「そんなに感激してるの?」
「チンポの先から涙が出て来そうだと言ったんだ」
「スケベ。でもスケベな研が恋しかったよ」
「俺が来ない時でもそんな服を着てるのか」
「太っちゃったから着れる服が少なくなって、仕方ないからこれを着てるの」
「そう言えば少し太ったな」
「研のせいよ」
「そういう時は普通痩せるもんだろう」
「やけ喰いしたから太っちゃった」
「そうか。お前は何があっても食欲はなくならないんだな」
「うん。そうみたい」
「健康でいいことだ」
「太ってブスになっちゃった?」
「ブスということはないが、これから少しダイエットするといい」
「髪の毛に気が付かないの?」
「髪の毛? そう言えば伸びたな」
「研と別れて口紅も香水も部屋の中まで全部変えたのに、長い髪が好きだっていう研の言葉が忘れられなくて伸ばしたんだから、私って本当に馬鹿みたい」
「馬鹿なことないだろ。お前の誤解だったことが分かったんだから」
「うん。伸ばしてて良かった」
「そのせいで顔は細く見えるけど、体はもう少し絞った方がいいぞ」
「うん。そうする。着る服にも困るし」
「しかし太ったせいか、おっぱいも一層デカクなったんじゃないのか?」
「うん。大きくなっちゃった」
「それなら無理しないで痩せなくてもいいかな」
「相変わらず大きい胸が好きなんだね」
「こういうことは数ヶ月で変わったりするか」
「この服着てて良かった」
「昨日はどんな服着てたんだ」
「ゆったりしたワンピース」
「それはいかんな」
「この服お腹のお肉が目立っておかしくない?」
「そうだな。まあ、それも見方によっては厭らしくてエロだけどな」
「厭らしい? やっぱり醜い?」
「いや。褒めてんだ。エロくて魅力的に見えると言ったんだ」
「口が上手いんだから。ねえ、何でヒゲ剃っちゃったの?」
「お前がヒゲが嫌いだとは知らなかったからだ」
「え? 嫌いじゃないよ」
「垂れ目のチョビヒゲって俺のこと言ったじゃないか」
「そんなこと言った?」
「興奮してたから覚えてないのか? 俺が出ていく時に『お前みたいな垂れ目のチョビヒゲ2度と見たくない』と言ったぞ」
「嘘」
「嘘じゃない。だから剃ったんだ。垂れ目は治せないけどな」
「ウワー、研、許して。ご免なさい」
「いいさ」
「私って馬鹿だから思ってもいないこと言っちゃった」
「思って無くて出てくるか?」
「思ってないよ。研の目は優しくて大好きだもん。それにヒゲだって好きだったよ」