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妙子2
【その他 官能小説】

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妙子2-18

 「露出してるっておっぱいを出しちゃうの?」
 「馬鹿。そんな服があるか。上半分とか両脇とかが出ている服っていう意味だ」
 「そういうのか」
 「そうだ。露出してなくても透けてるのならいいし」
 「研て、渋い服ばっかり着てる癖に言う事は逆なんだね」
 「逆じゃない。自分の着る服は渋くても女の服はセクシーなのがいいんだ」
 「そういう意味か」
 「ああ」
 「ネ、そしたらさ、ビキニの水着なんて研の好みにピッタリでしょう」
 「それはそうだが、ビキニ着て街を歩く訳にいかんだろ?」
 「それもそうね」
 「まあ、お前がそれでもいいと言うなら、俺は構わんけど」
 「水着で外なんか歩けない」
 「そうか。お前でも出来ないか」
 「出来ないよ。私は露出狂じゃないもん」
 「それは分かってるが、少しオツムが弱いから平気かと思ったんだ」
 「平気じゃないよ」
 「腹減ったから何か喰いに行こう」
 「うん。コンビニで材料買ってきて私が作ってもいいよ」
 「何が作れるんだ」
 「何でも」
 「何でも? 本当か?」
 「うん。大抵の物なら」
 「肉じゃが作れるか?」
 「それは作ったことない」
 「それじゃキンピラゴボーは?」
 「それも知らない」
 「何も出来んのじゃないか。何が作れるのか作れる物を言ってみろ」
 「オニオン・グラタン・スープが得意。チーズ・フォンデュも得意だけど、1人だとなかなか作る気になれないから、丁度いいわ。それにする?」
 「それは何じゃ一体。俺の知らない物ばかり作るんだな」
 「美味しいよ。作って上げるから」
 「いや、それは遠慮しとく」
 「どうして?」
 「俺は喰い慣れた物しか喰いたいと思わないんだ」
 「食べれば美味しいのに」
 「美味くても慣れてない物は喰う気になれんのだ」
 「何度か食べれば慣れるんじゃないの?」
 「お前は馬鹿だな、やっぱり。喰う気になれんから喰わない。だから慣れる筈がないだろ」
 「そうか」
 「それにしてもオニオン何とかとチーズ何とかだけで、何でも作れるなんて言うなよ」
 「だって自分で作る時ってそれくらいしか食べたいと思わないんだもん」
 「日本人だったらもっと日本人らしい物を喰ったらどうだ」
 「日本人らしい物って?」
 「メシに味噌汁にお新香が最も日本人らしい食事の原型だな。少し贅沢する時はこれに魚の干物を炙ってそえる。夏だったらメシの代わりに冷や麦か冷や素麺でもいい」
 「そういう食事って何十年も食べたことないような気がする」
 「お前いくつだったっけ」
 「年?」
 「ああ」
 「21。もうすぐ22になるけど」
 「だったら何十年なんて言い方するな。そういうのは年寄りが言うもんだ」
 「そうだね。年寄り臭い言い方しちゃった」
 「今度俺が美味い小料理屋に連れて行ってやる」
 「今から?」
 「この時間ではまだやってないから今度の話だ」
 「小料理屋に行ったら何食べさせてくれるの?」
 「だからメシと味噌汁とお新香だ。本当に美味い米を上手く炊けば、おかずなんて無くても食べられるんだ。お新香も新鮮な野菜を使って上手く漬ければ、そこらのスーパーで売ってるお新香が、何じゃこれはと言いたくなる程美味い物が出来る。味噌汁だってそうだ。そこらの定食屋やレストランの味噌汁なんて何度も沸かして煮沸消毒したみたいなもんで、美味くも何ともない。本当に美味い味噌汁というのを飲ませてやる」
 「うん。研と一緒に食べるんだったら何でもいいけど、どうせ奢ってくれるんだったらトンカツとかてんぷらなんかの方がいいな」


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