妙子2-17
「研は痩せてるね」
「俺は太ったことが無いんだ」
「あんまり食べないからよ」
「あんまり食べられないんだ」
「何処か病気?」
「病気じゃない。小さい時から貧乏して大食いしたことないからだ」
「私は子供の時に貧乏したから、今は反対に大食いになっちゃったよ」
「それは如何にもお前らしくていい」
「太り過ぎてる?」
「いや。丁度いいんじゃないのか」
「ウソ」
「嘘じゃない。俺は少し太り気味の女が好きだからこれくらいが丁度いいんだ」
「良かった。嘘でもそう言ってくれると嬉しい」
「嘘じゃない。この体を見て気に入って指名したんだから」
「そうか」
「一緒に住むのはいいんだが、俺は仕事で真夜中だって出かけるし、何日も帰らないこともあるぞ」
「仕事なら仕方ないからいいよ」
「分かってくれるならいい」
「そう言えば史郎ちゃんはこの頃ちっとも店に来ないけど、どうしたの?」
「仕事で出かけてる」
「何処?」
「栃木の山奥だ」
「そんな所で何の仕事?」
「まあ年季奉公と言うか、臨時の公務員と言うか」
「年季奉公って?」
「つまり刑務所に入ってるんだ」
「え? 何やったの?」
「大したことじゃない。たった2年のことだ」
「へーえ」
「俺はもう寝るぞ」
「寝るぞって私のおっぱい咥えてんじゃないの」
「こうやって寝るんだ」
「えー、嘘」
「嘘じゃない。寝苦しいか? 寝苦しくても俺は直ぐに寝ちまうから、ちょっとの間だけ我慢しててくれ」
「うん。ずっと我慢してる」
「ああ」
「研って見かけによらず子供みたいな所があるね」
「うむ」
「そんな所吸ってて寝られるの?」
「うーむ」
「ねえ、前の人の時もこうやって寝たの?」
「うーん」
「あらあ。もう寝てる」
「ネエ、研は私の体が気に入ったと言ってたけど、私の体の何処が1番好き?」
「勿論そのデカイ胸だが、それを除けば股間だな」
「コカン?」
「此処だ」
「キャッ」
「まあ顔も好きだ」
「此処が好きっていうのは、セックスがいいってこと?」
「セックスじゃない。そこの形が好きだと言ったんだ」
「此処の形?」
「ああ」
「ビラビラのこと? それとも毛の生え方?」
「違う。下着姿になった時のそこの形がいいと言ってるんだ。勿論裸になればもっといいけど」
「そんなの人によって違うの?」
「それは違う」
「へーえ。こんな所褒められたの初めて」
「何処だって褒められれば嬉しいだろ?」
「うん」
「俺が褒めたんだから、妙子はいつも胸と股間を強調するような服を着なければいかんぞ」
「強調するような服って?」
「だからピッタリした服だ」
「そうするとタイツみたいな服?」
「まあ、店ではそうはいかんな。俺といるような時はそうするといい」
「胸は?」
「胸はだからピッタリしてるのもいいけど、それより膨らみが露出してるような服がいい」