あるお客の話-1
「ねえアキ、凄いの見せてあげようか?」
「また巨根の画像?」
妻は自分が弄んだお客のペニスが気に入ったサイズなら画像に残してコレクションにするという、たいそうな趣味を持っている。
「私の人生でベストだよ」
私は決して見せてと言っていないはずだったが、妻は私の意見など関係なく携帯を私の目の前に持ってきた。
「うわ!何これ!」
「でしょ?20pだよ。竿もね、私が握っても指が届かないくらい」
「うへぇぇ…」
海外の無修正画像のようだ。
「言っとくけど日本人だよ、ハーフじゃない純日本人」
次の私の質問がわかっていたようで、こちらから尋ねる前に妻が答えた。妻が言うには、この巨根の持ち主はまだ二十歳で大学生とのことだった。
「大学生なのにM性感なんてマニアックな性癖持ってるのか、凄いね」
「必ず水曜日に来るんだよ。授業がない曜日だからって。月に2、3回。120分コースで時々延長30分っていうのがお決まり」
「螢子のところ安くないよね、延長含めたら3万いくでしょ?」
「ドが付く変態男なんだよ」
彼は元々、大学に入ってすぐにバーテンの見習いという形で夜の世界でのバイトを始めたのだそうだ。妻が聞いた話では、今風の爽やかなイケメンで愛想も良いため、結構常連客にも可愛がられたらしい。その常連客のひとりが金に物を言わせる女社長で彼は小遣い欲しさにお持ち帰りされたのだそうだ。金があって小綺麗にしていても独身で性欲をもて余した女社長は、彼の巨根を気に入ったようで、1回の奉仕で15万という破格の条件付きで彼を性欲処理係にしたのだそうだ。
「女社長っていいオバサンなイメージだよね」
「40代だよ。美容関係のお店をいくつか出してる人。少しは整形もしてるけど、30代前半くらいに見える。私も時々その人のお店にエステに行くよ」
「そっか、でもなぁ。うーん…」
「その子ね、テクニックが…ふふ、すごい下手なんだよ」
「自分で認めてるんだ」
「巨根を挿入したら乱れるけど、前戯で女社長が声を出したことがないって」
思わず私も笑ってしまった。巨根では女を泣かせることができるのにM性感が好きで、おまけに前戯が下手。宝の持ち腐れだなと思った。いや、まだ経験の少ない二十歳なのだ。前戯の何たるかを知らないことの方が自然じゃないか。
「彼の分析が面白いんだよ。『その社長が僕のセックスで喜んでくれるのは、単純に欲求不満で餓えてるだけに他ならないんです。回数を重ねて社長の欲求不満が改善されれば僕のセックスでは満足できなくなってしまう。そうしたら僕はお払い箱で小遣いを貰えなくなってしまうんです』って」
「そのもらったお金で性感に行くんだったらお金がいくらあっても足りないでしょ」
そもそも彼がM性感に通いつめるようになったのは、女社長の奉仕をするばかりで、性感を刺激されるのはどんなものか知りたいという、何とも変わった思考回路がきっかけだったそうだ。
「そこで螢子のテクニックを知り…」
「うん、私のリピーターになってかれこれ1年」
ふと冷静になり、こんなことを夫婦で話している私たちも十分変人だと思った。
「ねえ、どうしてアキにこの話始めたかわかる?」
妻は器用に片手で私のズボンを下ろしながらICレコーダーを取り出した。
「…何それ」
「あのね、彼…ハジメ君って言うんだけど。たまにオプションでお触りもやったりするんだけど、まぁ下手くそなの。お客さんでもなかなかの人がいて、そういう人に触られたらちょっと反応するんだけど…ハジメ君は本当に下手くそで。それでね?この2ヶ月、なぜかフルタイム乳首責めを希望してきたの。いかせなくていいの?って聞いたんだけど、とにかく技を盗みたいからって。一生懸命なんだけど笑っちゃうよね。」
何となく話が見えてこないが、相槌を打ちながら聞いていた。
「じゃあそのハジメ君はこの2ヶ月、螢子を指名する度に乳首責めだけ?」
「そう、ひたすら。でね、私が若い男の子を苛めて喘がせてる声をアキが聞いたら嫉妬するかなって、ちょっとした出来心でレコーダーで録音したんだよね。あ、これ違法だから絶対駄目なやつだよ。内緒ね」
「あ、うん」
「呆れないでよ。話はここから。そしたら今日は普通にいつもの120分コースを希望したの。久しぶりに巨根を弄るから私も本気だして苛めたの。焦らして、射精させて、潮吹かせて。久しぶりだからぐったりしちゃってたんだけど。そしたらハジメ君、その状態で30分延長してきたの。どうしてだと思う?」
「えー?うーん…連続射精が希望だったとか?」
「私の乳首責めを見よう見まねで覚えたから、是非採点してほしいって。真剣な表情で」
それって…。
「それって、螢子の乳首を責めさせてくれってこと?M性感なのに?」
「そう。でも面白そうだったから快諾したの。いつも指名してくれるいいお客さんだし」
「じゃあ乳首を触らせたんだ……結果的にはどうだったの?」
妻は質問に答えずに立ち上がると、下に穿いているものを全て脱いだ。そして脱いだばかりのショーツを目の前で広げると、クロッチのところに出来たばかりのシミがついていた。
「思い出しただけでこれ…それが答えと思っていいんじゃない?」
ワレメを指で開くと、前戯なしで私の上に乗り、ゆっくりと挿入してきた。そして、レコーダーを再生した。