妻が少しだけ変わる日-1
「起きて、ねえ」
妻の声が優しい。今日は仕事が休みだ、できれば昼間までゆっくり寝かせて欲しいところだが。時計を見るとまだ9時だ。平日でも休みの日でも、妻は早起きで健康的だ。昔は深夜に働いていたはずなのに、どうしてこんなにも生活リズムを変えることができるのか。
「朝ごはんできたてるから食べな」
「うーん…」
「カリカリベーコンに半熟のオムレツが冷めますわよ?」
「んっ」
勢いよく目を開けて起き上がる。私の好きな、ご機嫌な休日の朝食だ。私がリビングに入るのとタイミングを合わせたように煎れたてのコーヒーがテーブルに置かれる。とてもM性感のドS嬢とは思えない。
「コーヒーお代わり欲しかったら言ってね」
「うん」
妻が向かい合って座り、ノートパソコンを開いている中、テレビを見ながら朝食を食べた。
朝食を済ませ、歯を磨き終えても妻はパソコンの前に座っていた。
「何してるの?」
「ねえ、こっち来てこれ見て。うちの会社のホームページ」
デリ嬢が自分の勤め先を会社と呼ぶことに激しい違和感を覚えながら妻の座っている椅子に腰掛け、妻を膝に乗せた。
「テッテレー!今月も私、杏奈嬢はNo.1でーす」
「おー」
妻を後ろから抱き締め、妻のお腹の前でパチパチと拍手をした。お客様からの書き込みも見せてもらう。
「すごいな、10点…10点…10点…10点…10点…あれ、8点」
「多分ね、ひとりポッチャリが好みってお客さんがいたんだけど、その人。だいたい私たちの画像っていじってるから、実際はもうちょっとポッチャリしてる子っていっぱいいるの。そのお客さん、私もそのタイプだと思ったみたい」
なるほど、好みが違えばこんなに可愛い妻も満点にはならないのか。
「でもね、そのお客さんのオチンチン大きかったんだよ?ほら!」
妻が携帯を開くと、指輪をした妻の手が握りしめたペニスの画像を見せられた。根元を握っているが、私より竿が長くて立派だ。
「何で撮ってるの?」
「ポラロイドで恥ずかしい写真を撮るっていうオプションもあるんだよ」
「ポラでしょ?お土産にあげたりすんの?」
「うん、大体のお客さんは目隠しもしてあるから、オチンチンが大きな人はこっそりね。まあ、こういう美味しい思いもさせてもらわないと」
本当に巨根が好きなのだ、だからと言ってこんなにも堂々とした盗撮が許されるはずがないのだが。
「大きなオチンチン用のフォルダ作ってんの」
妻の悪行は聞きたくなかったが、咎めることはせず、決して巨根が好きではない私は妻の性癖に付き合うことにした。どれも立派だ。しかし、これまでに何千というペニスを見てきた妻にとって私の持ち物は決して立派とは言えないはずだ。よくも私との結婚を選んだものだ。
そう考えているうちにふと気付いた。私の膝にちょこんと座っていた妻が、足を開いて腰を前後に小刻みにスライドさせているのだ。デニムパンツの上からワレメを擦り付けている。どうして妻はこんなに私を挑発するのか。
「他の男のものを見て僕の前で欲情すんの?」
「そうした方が彰彦君が嫉妬して燃えるでしょ?」
トロンとした表情で振り返った妻を見て気付いた。そうか、時期的にそろそろか。妻を抱いてソファーに寝かせ、デニムを脱がせるとショーツにシミが広がっていた。丁寧に太股に舌を這わせながら、カットソーに手を滑り込ませて形の良い乳房を手で包み込む。
「は…んっ…彰彦君の手、ゾクゾクする…んっ」
女性によって差はあれど、性欲が強くなる時期があるというのは知っている。生理前にムラムラするという女性もいるようだが、妻はまさに排卵の時期と重なるのだ。そして…
「彰彦君…んっ螢子ね…乳首はあんまり感じないから…それより胸を優しく揉んでくれる?あ…彰彦君のくせに何だか気持ちいい…」
この時期の妻は欲情すると自分を螢子と、私を彰彦君と呼ぶのだ。妻のショーツを脱がせると、珍しく糸を引くほどに濡れていた。私はそのワレメを舌でなぞり、陰核の包皮を捲り、優しく舐めた。妻は足を開いたり閉じたりしながら、私の肩に指を爪を立てた。
「あぁ…ね…んっ…ねえ…彰彦君…もう分かってるんでしょ?今日…」
無視して舐め続けると、両手を私の頭に添え、体を上へと促した。いつも冷たさすら見せる瞳が潤みを帯び、何とも妖艶だ。
「ああ、分かってるよ…」
妻が私の腰に足を絡ませ、下から引き寄せようとした。普段は主導権を握り、上で腰を振る妻だが、この時は下になる。医学的根拠はないそうだが、きっと妻は私の出した精液を受け止めるために無意識にそうしているのだろう。いつものように上になれば、抜いた時にこぼれてしまうから。
私に問題があるばかりに妻を悩ませている。せめてこの時だけでも精一杯優しく愛して…
「私のオナニーのネタ見せたんだから…ちゃんと満足…あんっ!あぁっ!激しっ…ああんっ!彰彦君じゃ…ないみたいぃっ!」
私のものではないペニスをネタにしていたことに激しい嫉妬と怒りを覚え、乱暴に突き立て、乱暴に腰を振り、舌が届く限り乱暴に舐め回した。
「あん凄っ…ねえっ!彰彦君じゃないみたい!あああっ!他の男に犯されてる感じ!気持ちいい!」
元々私のセックスは卓越しておらず、激しくすれば早く終わる。ものの10分程で私は妻にしがみつき、あっさりと果てた。肩で息をする私が離れないように、少し息を切らした妻が腕と足で私に絡み付いた。