Girl Meets Devil 〜その]〜-3
お互い名残惜しそうに離れる…
長い…長いキスだった……
「…茜…」
「ふふっ…前のお返し♪」
ギュッ…
突然…恭夜が抱き締めてきた…
「離れたくない…お前と離れたくない………」
初めて聞く、辛く、泣き出しそうな声…
「私もだよ…恭夜……」
そう答え、私も恭夜の体を強く抱き締める…
でも…恭夜はもうすぐ帰らなくてはいけない……
期限は午後8時まで…
それまでには、学校に行かなくてはならない…
午後7時半。
学校の校庭には葛城先輩が一人待っていた。
後、30分で恭夜と会えなくなる…
多分、思い残すことは……
ん?何か忘れてる様な…
そうだ!願いだ!
「ねぇ、まだ願いって叶えられる?」
「ああ…大丈夫だ。」
ならば私の願いは……
「天宮先輩は全て済んだら会いに来るって言ってじゃん。だったら…私の願いは一つだけ………」
「恭夜、全て済んだら必ず帰ってきて!私、待ってるから……そしたら…また一緒に……」
恭夜は厳格な声で答える…
「汝が願い、聞き入れた。我がルシファーの名において必ずやその願い果たさんことを誓う。」
これで言い残すことはなくなった…
つまり、それは私と恭夜の別れの時………
「そろそろ時間だ…」
葛城先輩が告げる。
「お前には世話になった。」
「また…帰って来い。この世界には張り合うことの出来る奴がいないからな。」
恭夜は再び書かれた模様の上に立つ。
「恭夜、元気でね。後、浮気なんかしないでね♪私待ってるから!」
「ああ、必ず帰る。それまで待っててくれ。お前も浮気するなよ♪」
模様が少しずつ輝く…
時間がきた……
光はだんだんと強くなり、視界を包んでいく。
「茜!」
恭夜が叫ぶ。
「…愛してる!」
それだけを言って恭夜は光の中に消えていった……