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Time Capsule
【初恋 恋愛小説】

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第4章 過去を振り返る。-4

その翌日、昨日メールしている時は楽しく興奮もしたが、これから学校で会い隣の席に座る友美と顔を合わせるのが何となく気まずく恥ずかしく感じてしまった俊輔。友美の姿を目で探りながら教室に入ると一角で友達とお喋りしている友美に気付く。友美も俊輔が教室に入ってすぐにチラッと見て確認したようだ。自分の机に荷物を置き再び友美を見ると目が合ってしまった。その瞬間、友美が意地悪そうな顔でベーっと舌を出して微笑した。俊輔は恥ずかしくなり頭をかきながらすぐに視線を外してしまった。

朝のホームルームの時間が来ると全員がそれぞれの席についた。先に俊輔の方が席に座ると、友美は「おはよ。」と言いながら席についた。
「お、おはよ…」
じゃああんかいやらしいメールしなきゃ良かったじゃん、と言うぐらいに恥ずかしがってしまう俊輔に友美は小さな声で俊輔の耳元で囁いた。
「昨日、私はしてないからね?」
「!?」
思わず聞かれていないか周囲をキョロキョロしてしまった。
「な、何言ってんだよ!?」
俊輔は慌ててそう言った。
「フフフ」
友美は笑って前を向いた。面と向かってどちらが強いかと言ったらやはり友美であった。俊輔は意外とシャイなのであった。その事は友美には既に分かっていたのかも知れない。夜になるとメールを良くし合った俊輔と友美だが、昼と夜ではたいてい立場が逆転していた。メールではガンガン攻める俊輔に対し、面と向かっては友美の方が圧倒的に有利に立っていた。そんなやりとりも今となっては楽しい思い出の一コマであった。

友美は良く恭子情報をくれた。写メはもちろん、好きな食べ物、好きな音楽、趣味など情報を仕入れては逐一俊輔に教えてあげていたのであった。3年の時の誕生日から急接近した恭子とすぐにすんなりと付き合えたのは、友美が色んな情報を教えてくれたからなのかも知れない。その感謝の気持ちを友美に伝えたいと思った時にはもうすでに無視されており、伝える事は出来なかった。



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