Girl Meets Devil 〜その\〜-6
「あ〜…ようやく通じた。誰だかしらんが礼を言う。」
漆黒の衣と翼、鋭い双眸は赤々と輝いている。
私が一番会いたかった奴……
私の一番大切な奴……
悪魔王ルシファー…いや、神道恭夜がそこに立っていた…
「…うっ…うっ……恭夜…恭夜ぁあ…うわあああああ…」
また、タガが外れたように涙が零れる…
「あ、茜か!…すまない…心配させたな…すまない…」
恭夜は私を抱き締めながら、何度も…何度もすまないと言った…
悪魔とは思えぬ優しい声…
私はこの声が聞きたかった…
「柊も落ち着いてきたな。では、本題に移ろう……神道…いやルシファーよ、向こうで何があった?」
先輩が尋ねる。
「すまない…実は、昨夜茜が寝た後、使いがあることを伝えに来た。」
恭夜は重々しい口調で続ける。
「そいつによれば、向こうの世界のある国が他国に侵略を開始し、事態は急を要すると…その為、俺は一度戻らねばならなかった。記録と記憶を消してな…」
だから、みんな覚えてなかったのか…
「では帰ってきたということは何とかなったんだな?」
そうか!帰ってきたってことはまた一緒に……
しかし、恭夜の答えは良いものではなかった……
「…いや、今は膠着状態にあるだけだ…一日くらいは保つだろう………だが、本来ならばすぐにでも戻らねばならない…」
じゃあ…何で帰ってきたの………
「……お前に会う為だ、茜……」
恭夜が何を言いたいか分かった…
「俺の期日は明日まで……」
嫌だ…嫌だ……
聞きたくない……
言わないで……
お願いだから……
「明日、俺は向こうに戻る……だから、茜…お前に別れを告げにきた……」
永遠に続く様な日常……それは、突然終わりを迎える……
続く……