Girl Meets Devil 〜その\〜-5
♪♪♪〜
突然、辺りに最近のヒット曲が流れる。
一瞬、ビクッとなったものの急いで携帯に出る。
葛城先輩からだった。
「はい…もしもし……」
なんて酷い声なんだろう…
『大丈夫か?…何か手掛かりはあったか?』
「いえ……何も………」
少しの間、先輩は黙り、そしておもむろに話始めた。
『柊……今から学校まで来れるか?』
「別に…大丈夫です………」
『実は今、術式を書き終わった。もしかしたら…向こうの世界と繋がるかもしれん…』
「本当ですか!」
『あくまで可能性の話だが、やらないよりはマシだと思う…』
「今すぐ行きます!」
恭夜に会えるかもしれない…
そんな一縷の望みをかけ、学校へと走る。
「…お待たせしました。」
学校の校庭…そこには、四月のあの夜に見た意味不明の幾何学模様が描かれていた。
「大丈夫か?」
そこには、お馴染みのバットを持った先輩が待っていた。
「準備は整っている。いいか、あくまで可能性だ。それに、神道以外の奴等が出るかもしれん…それでもいいのなら、術式の前に立ってくれ。」
言われるまでもなく、私は自分の足を前に出す。
「そうしたら、お前はひたすらアイツのことを思え。……では、始めるぞ!」
私は目をギュッと瞑る。
そして、この半年間を振り返りながらアイツを思い出していく……
楽しかった記憶…
面白かった日々…
優しかった笑顔…
そんな日々をもっと続けたい…
アイツともっと一緒にいたい…
だから、だから……お願い!帰ってきて恭夜……
パキィン…
何かが割れるような音…
見れば水路を流れる水の様に光が線をなぞる……
まるで、あの四月の夜を再び見ているかの様だった……
そして…全ての線に光が行き届くと、それは一気に爆発して私の視界を白一色に染め上げる。
そして………