Girl Meets Devil 〜その\〜-2
「何で…?………そうだ!葛城先輩なら…」
もしかしたら何か知ってるんじゃないか。
そう思って、先輩のいる生徒会室へと走り出す…
「はぁ…はぁ…はぁ……」
階段を駆け上がり生徒会室へと辿り着いた。
生徒会室の扉を開けようとしてふと、脳裏にあることが過ぎる。
…葛城先輩まで恭夜のことを覚えてなかったら、どうしよう……
ドアノブを握る手が固まった様に動かない。
どうしよう…どうしたらいいの……
その時…
「おぉ、柊じゃないか。珍しいな、神道は一緒じゃないのか?」
声の主は葛城先輩だった。
神道…!葛城先輩は覚えている!
「…か、葛城先輩ぃ……恭夜が…恭夜がぁ………うっ……うっ……うわあああああ…」
安心のあまり、人目も気にせず大声で泣いてしまった……
「ど、どうしたんだ!落ち着け柊!とりあえず、話を聞くから!」
「…つまり、神道が突然いなくなって、私達以外の奴等は神道のことを全く覚えていないというのか?」
コクリ…
「…ちょっと待ってろ。今、確認してみるから。」
そう言うと、先輩は生徒会室にあるパソコンを立ち上げ、何か操作をしている…
「……駄目か…やはり、お前の言う通りだった。今、全校生徒名簿を見たが、神道の存在は記憶だけでなく記録からも消えている…」
そんな……
先輩…この半年間は夢じゃありませんよね……
恭夜は確かにいたんですよね……
「無論だ。現にお前だけでなく私も覚えている。」
でも…これからどうしたら……
他の知り合い……天宮先輩!
「残念だが…天宮の記録も消えていた……」
天宮先輩まで……何で…どうして!
「天使と悪魔の両方が突然消えた…となると、向こうの世界で何等かの問題が起こったのかもしれん………」
先輩…私、どうしたら……
「…もしかしたら、まだこの辺りにいる可能性もある……柊!」
「は、はい…」
「学校には私が言い訳しといてやる!悪いが、神道を探しに行ってくれないか?」
「…先輩は?」
「私は知り合いに、何とか向こうの世界とこちらの世界を繋げられないか頼んでみようと思う。」
「よろしくお願いします!」
「あまり…力になれなくてすまない…何かあったら連絡をしてくれ。」
学校を病気ということで早退し、一度家に帰って制服を着替える。