浮きなさい-3
「この前の丘の上の時みたいに一瞬で終わらないでよ。」
「あ、あの時は…」
「今日はタップリ味合わせてね、あなたを。」
「だ、大丈夫、だと思います。今なら…」
「あら、もしかして、自分で練習してるの?」
「あ…あのぉ…」
「してるの?」
彩乃は目を閉じて横を向いた。
「し、してます。沙楽先輩の事を想いながら。」
「そう。お勉強熱心ね。ご褒美をあげなくちゃ。」
「ご褒…あうっ!」
私が谷底に舌を這わせると、彩乃は敏感に反応した。
「ああっ、あうぅ!」
水面の高さでビチョビチョと舐め回す度、彩乃の腰はビクン、ビクン、と跳ねあがった。
「力を抜きなさい。」
「む、無理ですよ、沙楽先輩…。いつどんな刺激が来るか分からないんですから。無防備にされるままになるしかないんですから。」
「じゃ、いつどんな刺激が来るか分かれば大丈夫なのね?」
「はい、多分。でもそんなこと出来ないでしょう?」
「出来るわよ。」
「どうやって?」
「自分でしなさい。」
「は?」
「自分でして見せなさい。それなら予測出来るでしょ?いつどこにどんな刺激が来るか。練習してるんだから。」
「そ、それはそうです…けど。自分でして見せるなんて恥ずかしいこと、出来ませんよ…。」
「恥ずかしいから燃えるんじゃない。」
「何言ってるんですか!」
彩乃は泣きそうな顔をしている。
「しょうがないわねえ。」
私はため息をついた。
やっぱり可愛い。この子は。こんなに恥ずかしがって。だからこそもっと可愛がってあげたいんだけどなあ。
「沙楽先輩はどうなんですか?私に見られながら出来ます?」
「む?うーん、それは…」
「じゃあ、私にされながら力を抜いたままで浮いていられます?」
「ど、どうかなあ…。」
「やってみましょう。」
そう言うと彩乃は足を閉じて立った。
「仰向けに浮いて下さい。」
「え?ええ?」
「さあ。」
「あ、うん。」
言われるままに浮いた。
私の足元に移動した彩乃が足首を掴み、左右に広げ始めた。
「ほら、力を抜いて下さい。沈みますよ。」
「あ、ごめん。」
脱力した。されるままになるのって、怖いようなゾクゾクするような。そして、見られているであろう部分の疼きがすごい。志歩先輩で慣れているはずだったんだけど、彩乃にされるのは初めてだから…やっぱり、甘美な恐怖を感じてしまう。
「綺麗…。」
足を開ききり、私の股間に侵入してきた彩乃が声を漏らした。
「な、何…。」
「何って、おま…」
「そういう意味じゃない!」
彩乃は私のそこを見つめたまま、何もしてこない。
「どうしたの?」
「先輩、私は何もしてないのに自分から開いてきましたよ。」
「え…。そ、そう?」
「もしかして、疼いてます?」
イタズラっぽい目で見つめられた。
「そんなわけ…はうぅ!」
谷間を舌が這う感触が、ジンと下腹部に響いてきた。志歩先輩の様な冷徹に計算された一撃ではなく、デタラメなねちっこい攻撃だ。それ故に、予測不能の快感が襲い掛かってくる。
「力を抜いて!」
知らぬ間に私の腰は跳ねまわり、身をよじっていた。
「沈みますよ。」
「む、ムリ!」
ゴボ…。
私は沈み始めた。
「先輩!」
彩乃が慌てて手を伸ばし、腰を支えてくれた。
「大丈夫ですか!」
大丈夫だけどね、潜水は得意だから。でも、沈められたのは悔しいなあ。沈められた…沈む?そうか!
ザバァ。
水中から顔を浮上させた私は彩乃に言った。
「沈んじゃえばいいのよ。」