別荘での戦い-8
「黒崎っ!」
突如彼に腕を強引に引っ張られ彼の部屋に連れられ、ベットに背中を叩きつけられる。
「なんで黒崎だよ!隼人!…だろっ?」
「……。」
怒り狂う彼、その表情は先ほどまでの爽やかで優しい顔とはうって変わっていた。
「なっ、何っ!?は、離してよ!これから蓮の治療に。」
「そんなの放っておけばいいだろう!」
我が耳を疑った。
「ちょ何言ってるの?私はただ怪我を直してやろうと、ほら責任あるじゃないいくらもう他人とはいえ、私の為に山に登ったみたいで。」
彼の意識がない時、うっかり見てしまった。雑だけど一生懸命移そうとするリスの姿が。
きっと私の為なんだろう…って、直感で理解した。
「てゆーか何?放っておけばいいって!アンタさっきまで仲良くしようって言ったくれたじゃない!」
「確かに言った、でもそれは俺とお前が交際し続ける事が前提だ!」
「え…。」
「とぼけても無駄だ、聞いたぞ?「私も同じ気持ち…電話をくれて嬉しかった」って。」
「それは。」
何と言う恐ろしすぎる顔。
恐い…。
「…ねぇ、俺って、何なの?」
「?」
「あいつとお前が別れてそれで俺と交際して…、それで順調に上手くいったかと思えば、ちょっと電話で誘われたくらいですぐによりも戻して。」
「それは、本当ごめんなさ」
「謝んなよっ!…謝ったら、それじゃーまるで。」
「黒崎、私は。」
「認めねーぞ。」
「っ!」
「あいつとはもう別れたんだ、そして今目の前にいるのが今のお前の」
「違うっ!」
「?」
「……確かに、蓮は私を傷つけた、鈍感で肝心な時私を支えてもくれない、おちゃれけてばかりでとてもムカつく…、でもアイツは面白い奴なの、一緒に居ると落ち着いて嫌な事何て忘れ」
「黙れっ!今彼の前で元カレをそんな風に褒め称えるな!」
「私の、私の本当に好きな人は、ちょっと物事上手くいかないくらいで、そんな風に好きな人に乱暴何てしない!」
「っ!」
彼が一瞬落ち着いた所を見計らい、その隙にベットから勢いよく立ち、この部屋から逃げようとする。
「待てっ!」
「いや、離して!」
「頼む!アイツの所に行かないでくれっ!」
「嫌よ、こんな怖い人と居るくらいなら。」
「それは悪かった謝る!けどお前を幸せに出来るのは俺だけだ。」
「……。」
「やっとの恋なんだ、俺がお前と再会出来てそして交際出来た時はどんなに嬉しかったか事か。」
「隼人。」
「俺と別れてアイツとよりを戻す気か?やめておけ、あいつはお前の気持ちに無頓着なんだろ?だから別れて正解だろ、でも俺はそんな事はしない。」
乱暴になったかと思えばそうやって今度は優しくなって。
典型的なDV男ではと恐怖を感じ。
「だから俺は。」
「もうやめてってばぁ!」
「巴!」
「嫌だってばぁ黒崎、黒崎ぃ!」
力強い拳に私のか細い腕では振りほどく事も出来ず。
「だーかーらぁー隼人だって……。」
その時、もう片方の拳が私の顔面を直撃しようとする。
いやっ!
「っ!」
「?」
「やめなよ…、怖がってんじゃん。」
そこに入ってきたのはケガでぐったりしている筈の蓮だった。