初体験-1
私の名前は小川 千恵美。
16才の女子高生で、多分特に特徴はない普通の女の子。
そんな私ですが3ヶ月ほど前に彼氏ができました。
相手は上原 雄太くん。今は隣のクラスだけど、同じ中学だったので昔から知ってはいた。
お互い電車通学で地元が一緒なのでよく遭遇する。
なんとなく会話しているウチに雄太くんに告白され、私も彼の事をそれなりに好きだったのでOKした。
劇的な出会いとか出来事があったワケじゃないけどもそんなもんかなって。
…で。付き合ってまだ3ヶ月だけどもお互いに性に興味あるお年頃。
昨日の夜、初めてエッチな事を体験してしまった。
…けど、凄く痛いのなんの!
初めては痛いって聞いてはいたけど予想以上。
私も緊張しちゃったのか全然濡れなかったし、指を入れられるだけで凄く痛かった。
よっぽど彼の性器を受け入れる状態じゃなかったけど…雄太くんは初めてのSEXで興奮してたし、やっぱ無理!なんて言って場を冷めさせて嫌われるのもイヤだったので我慢して決行。
おかげさまで私は痛いだけだった。
けどまぁ雄太くんが満足そうだったので良いかなぁと思いつつも私自身は少しトラウマ。
全く気持ち良くなれなかったので、これからもこんなのが続くと考えたら鬱でしかない。
「はぁ〜…」
自然と溜め息が出てしまう。
今はお昼休み。ご飯を食べ終わって一人でのんびりしていたのだけども机に突っ伏してしまった。
「あらら、大きな溜め息。やっぱりお悩み事?」
「…理恵ちゃん」
私を心配して竹谷 理恵ちゃんが声をかけてくれた。
私の友達で、オシャレで可愛い女の子。
背は160cmほどで、茶髪のセミロング。
私服だと派手すぎず、けどもアクセサリーなどを上手く使って着飾るのが上手なので尊敬してる。
デートの服装なんかも相談に乗って貰ったりして、凄く頼りにもなる子だ。
「最近は雄太くんと付き合う事になったの〜!って浮かれれてたのに今日は元気ないねぇ。喧嘩でもした?」
「喧嘩は…してないよ。」
「ふむ。喧嘩はしてないけど元気がない。
…分かった。夜の事で失敗したとかそんな感じでしょ!」
「ぶふっ!?」
理恵ちゃんの勘の良さに私は吹き出してしまった。
なんでそんなあっさり分かっちゃうの!?
「お?当たりっぽいね。適当に言っただけなんだけど」
「………」
…本当に適当に言ってみただけっぽいので私が勝手に過剰な反応をしてしまったようだ。
けど理恵ちゃんはからかうでもなく、真面目な顔をして隣の席に座ってきた。
「思ったよりやる事早いね〜。もっとピュアな関係続けるかと思ってた。二人ともピュアっぽいし」
「まぁ…私としても早いかなぁと思ったけど、流れで」
「ちゃんと避妊はしてる?高校生で妊娠とか人生ハードモードだよ?」
理恵ちゃんは口調こそ軽いが、気遣うように声をかけてくれる。
…デートの相談に乗って貰った時にも思っていたのだけど、凄く堂々としてるしやっぱ経験豊富なのかな?
私ばかり聞かれるのもなんか嫌だったので聞いてみる。
「んー…。経験豊富ってほどじゃないと思うけどね。付き合った事のある男子って今の彼氏だけだし」
「へー」
「ただウチの彼氏、普段は情けないというか弱々しいけど夜の方は絶倫だからそっちは経験豊富かも」
「うぇっ!?」
以外と生々しい返事が反ってきてビックリしてしまう。
私は吹き出した時と同様、変な声が出てしまうが理恵ちゃんはお構い無しに笑顔で会話を続けてくる。
「いや〜、ついに千恵美も経験者か。このクラス、千恵美以上にピュアだったり彼氏持ち少なかったりでこういうハナシ全然できなかったから嬉しいよー。
絶倫な彼氏の夜に付き合ってるからか私、結構スケベだよ?」
「…そんなに凄いんスか」
ついつい敬語になってしまい、理恵ちゃんにも何ソレ、と突っ込まれてしまう。
うーん、理恵ちゃんは話し相手ができたと喜んでるけど私はそういう生々しい話が苦手なんだよね。
私の方はかなり失敗気味だし。
…けども理恵ちゃんはそんなエッチな話しを楽しそうに語るので、どんな感じなのか興味がある。
「なるほどなるほど。初エッチで凄く痛くてトラウマと。」
「あ、あんまり大きな声で話さないで…」
「今更今更。大丈夫、近くに他の人いないし誰か近寄ってきたら話題変えるよ。」
理恵ちゃんは堂々としてるし、しっかり相談に乗ってくれるし頼りになるなぁと思ってしまう。
友達だけど、こういう所が尊敬にもなる。
たまに友達として釣り合ってるかなぁと心配になるけど、理恵ちゃんはいつも笑顔で活発に接してくれるから嬉しいのだけど。