投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

日常と非日常の境界
【同性愛♀ 官能小説】

日常と非日常の境界の最初へ 日常と非日常の境界 2 日常と非日常の境界 4 日常と非日常の境界の最後へ

日常と非日常の境界-3

「そうだよね。いきなり好きなんて言われても困っちゃうよね。ごめんね。わかっていたんだ。変な事だって。でも、最後に伝えようと思っていたから。」



消えてしまいそうな佳菜子の声。

 だけど、あたしは彼女に答えることができなくて。

 そのまま、佳菜子は握った手を解こうとする。

 失われる佳菜子の温もり。

 あたしの手は冷たい冬の空を掴んでいた。

 一瞬、二人は見詰め合って、沈黙が訪れる。



「あせらなくていいと思う。あたしは佳菜子から離れたりしないよ。これからもずっとね」



 この幻想的な世界が手伝ってか、あたしは普段なら言えやしない恥ずかしい台詞をはく。

 それでも今の佳菜子には十分だった。



「えっ?それって」



 まだ分からないような素振りを見せている。

 この気持ち、あたし自身分かっていないと思う。



「だからね。今はまだ佳菜子は友達でそんな関係にはなれないけれど、友達なのは変わりないし、きっとこれからもっと大切な人になるから」



「っう。っうう。智子」



 佳菜子は目に涙を浮かべて上ずった声で啜り泣いていた。



「ちょっとぉ泣かないでよ。あたしが泣かしたみたいでしょ」



 佳菜子はその愛らしい笑顔になってあたしを見つめた。



「うぅん?智子の所為だよ。だって、あたしすごく幸せになっちゃたんだから」



「っもう、馬鹿」





 さて、そんな事があったので、あたしは残り少ない学校生活の中で、少なからずあたしも佳菜子の事を意識しだしていたの。


日常と非日常の境界の最初へ 日常と非日常の境界 2 日常と非日常の境界 4 日常と非日常の境界の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前