日常と非日常の境界-2
「智子。ありがとう。今までずっと助けてくれたよね」
「いいよ。今更そんな事。お互い様だよ。あたしも佳菜子にいっぱい助けてもらったし。」
冷たい風が頬に触れるのを感じた。
「あたし佳菜子と一緒にいたかったから。佳菜子が頑張っている姿を見るとあたしも頑張ろうって思えてくるんだ」
佳菜子はあたしの手を掴んで、あたしを引き寄せながら言った。
「やだぁ。智子。あたしの事好きなの?」
あたしは自分の頬が燃えるように熱くなったのを感じた。
「べっ。別に変な意味で言ったわけじゃないからね。あくまでも親友としてです」
「はいはい。わかった。わかった。むきにならないの」
佳菜子は更にあたしとの距離を詰める。
何故か真面目な顔であたしを見つめていて。
一呼吸してから言った。
「でもね…あたしは…好きなんだな。智子のこと」
「っえ?嘘」
確かに冷たい風が頬を掠めているのに、この時ばかりは自分の顔が熱くなってしまうのを感じた。
「あたし。あたし。」
何にも分からない。
だってあたしは佳菜子のこと親友としてしか考えてなかったから。
「あたしもいきなりそんな事言われてもわからないよ。それにあたしたち女の子同士だよ?」
あたしは半分涙目になって佳菜子を見つめた。