日常と非日常の境界-10
「んっ…あっ…ふぅ。ふぅう」
佳菜子の唾液があたしの口内に注がれるのを感じる。
それは甘ったるく、あたしを魅了し、口内であたしの唾液と混ざり合い、あたしの舌で佳菜子の口へと押し戻される。
「はんっ…ちゅっ、ああぅ、ちゅっ…んっ」
佳菜子の口端から、溢れた唾液が垂れ下がる。
それを気にする事無く、あたしとの口付けを続けていく。
「んっ…ちゅっ、ぷはぁ。どう?智子」
そうやって聴いている佳菜子の口から唾液の線が垂れ下がるっていて、彼女のもつ幼顔との差異が余計に妖艶に映る。
「うん…くらくらする。だって、佳菜子上手だったから」
あたしは腰から崩れるようにその場に座っていた。 そんなあたしを慌てて佳菜子は支えてくれる。
あたしは佳菜子に抱かれ、彼女の耳元にあたしの唇が近づく。
「佳菜子…続けて」
あたしは物欲しそうに彼女を見つめた。
「ふふっ。智子可愛い」
あたしの胸の膨らみが優しく包まれていくのを感じる。
「んちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」
どちらともなく、口付けが始まる。
さっきまでのような浅い口付けじゃなくって、それは深いものになる。
「んっちゅっ。ちゅっ。ぷはっ」
あたしは口内で彼女の舌を感じた。
甘く、暖かい唾液が溶け合っていく。