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クリスマス・イブ
【熟女/人妻 官能小説】

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クリスマス・イブ-1

1.
「ねえ、義兄さん、クリスマス イブだってのに何を浮かない顔してんのよ」
「そんなこたあ、俺には関係ねえよ」

 バーのカウンターの裏でグラスを磨きながら、半分に減った飲みかけのバーボンを見つめている敦夫に雅子が声をかけた。
 常連客が多いので、クリスマス・イブだからといって特別に混んでいる訳ではない。
 カウンターには、中年の一組の女連れが敦夫と離れたスツールで話し込んでいる。

「まあ、それは分かるけど、何時までウジウジしていても姉さんだって喜ばないわよ」
「まあな」
「刑事の女房がどんなものか、姉さんも承知で一緒になったんだから、・・・・姉さん、幸せだったのよ、私には良く分かる。義兄さんが悔やむことは無いのよ」

 姉の直美が、北池袋署の刑事課、警部補の浦上敦夫と結婚をした。
 直美と敦夫は、大学時代の同窓生で、学生時代からの付き合いだった。
 誰も羨む似合いの夫婦で、子供に恵まれない以外は、全く文句の付け様のない夫婦だった。

 妹の雅子は、密かに敦夫に想い寄せていた。
 姉妹のDNAが、同じ男を好きにさせたのだろう。

 姉が敦夫と結婚をしたその年のクリスマスイブに、雅子は大学のダンスクラブ、キャプテンに身を任せた。敦夫への想いが断たれた以上、もう誰でも良かった。

 妊娠したが、中絶をした。男にも、子供にも特別な愛情は持てなかった。

「雅子ちゃん、お前だってどうなんだ、人の心配よりも、自分の心配をしろよ」
「姉さんみたいに幸せにしてくれる人が居ればねえ、こんな商売をしていると、これはと思う人には、中々ねえ」
(義兄さん、貴男が私をお嫁さんにしてくれれば、一番いいのよ)

「刑事は、女房孝行が出来ないからなあ、同じ課にも好いやつは居るんだけど、直美と同じ思いをさせるかと思うと、紹介する気にはなれねえしなあ」
「私は刑事だって別にいいのよ。姉さんの生活は良く見ていたけど、そんなに悪い生活だったとは思わないわ」
「そっかぁ、お前がそう言うんならその内、紹介しようか?」

携帯が鳴った。
「はい、浦上」
「・・・・・・・・・・」
「現場に近いので直ぐ行きます」

「雅子ちゃん、これだからな、刑事の女房はよく考えたほうがいいよ。酔っ払いの喧嘩騒ぎらしい。一段落したら、連絡するよ」



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