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縺れ合った赤い糸
【幼馴染 官能小説】

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運命の再会-1


俺は中川健二25歳。高校卒業後、山陰の田舎町から瀬戸内海側の都市に就職して7年が経った。

ある日会社の後輩が交通事故で入院し、その病院に見舞いに行った事で、縺れ合っていた運命の赤い糸が再び絡み合い始めた。

病院は勤務先の近くの入院設備がある外科病院で、仕事終わりに一人で見舞いに行った。

「健二…。健二でしょ?」

「美穂…。久しぶりだな。お前…ずいぶん痩せたな…。こ…ここで働いてるのか?」

「ひ…久しぶりね。う…うん。」

そこで出会ったのは親友の元カノの美穂。7年ぶりの再開だった。

「篤もお前を置いて先に逝くとは…。辛かっただろうな!」

「そ…そうね…。でも、今はこうして頑張ってるから。」

俺達は高校で知り合い、いつも三人で遊びまくり、俺も篤も美穂が大好きだった。

俺は空手部、篤はサッカー部、美穂はバレーボール部で、部活終わりには三人つるんで帰るのが日課だった。

ある日部活終わりに篤が土下座して俺に頭を下げたてきた。

「健二!頼む、美穂の事が好きで好きで堪らんのや!美穂と付き合いたいんや!頼む健二、この通りや!」

美穂に熱い思いを寄せる篤は、必死にそう言った。

「頼むって言われてもな。俺は美穂の彼氏じゃないから。まあ当たって砕けろや!お前が砕けたら俺も一緒に砕けてやるよ!」

親友の必死の頼みに、冗談混じりに返事をしたが、いろいろな思いが交錯した。

それから篤は美穂に告白し、まさかのOKで二人は付き合う様になり、聞きたくもない初Hの話しまで聞かされ、篤を羨ましくも思った。

それから卒業まで二人とは距離を置き、部活に専念しながら遠目から二人を見守っていた。

高校卒業後、俺は瀬戸内海側の都会に就職し一人暮らしを始めた。ただ、時々友達から二人の事を聞かされ、いらつく時も多々あった。


美穂は卒業後、病院に勤めながら看護学校に通い、篤は地元企業に就職したが長続きせず、それからは職を転々し美穂のアパートに転がり込み、ギャンブルにはまりヒモみたいな生活を送っていたと。

更に篤はサラ金に手を出し、返済を迫られた美穂は親に相談も出来ず、アルバイトで水商売の世界にに入り、そこから転落の人生が始まったと。

美穂が堕ちた先は風俗で、看護学校は退学し稼ぎのいい風俗で懸命に働き借金を返し続けたが、篤は更に借金を膨らませたと。

篤は風俗以外でも知り合いに身体を売らせ、美穂は身も心もボロボロになり中絶を繰り返し何度も手首に傷を入れたと。

噂話を真に受ける俺ではなかったが二人の事はいつも気にかけていた。

そんな中、突然の訃報が届いた。篤はヤバイ連中とトラブルを起こし美穂と二人拉致され、篤は美穂を見捨てて一人車で逃げる途中にガードレールに衝突し逝った。即死だったそうだ。

葬儀に駆け付けた時、美穂の姿はなく、親父さんお袋さんとで篤を見送った。

それから美穂の消息は途絶え、噂ではヤバイ連中にボロボロにされ、生きているのかすらわからない状況だったと。

『生きていてくれてよかった。』

そんな気持ちが溢れ出し美穂を見つめると、美穂は目に涙を浮かべ何かを吐き出したそうに俺を見つめ、その場で泣き崩れた。

「どうしたんや!美穂の頑張ってる姿見て安心したのに。美穂らしくないぞ!」

俺は美穂のどす黒い過去を知らぬふりをして美穂を優しく抱き寄せた。

「だって…。こんなところで逢えるなんて…。嬉しくて…。」

「そうやな!もう泣くな!化粧取れて顔グチャグチャやで!」

「健二、相変わらず口悪いわー!

俺が笑うと美穂は昔と変わらず可愛い笑顔を見せた。

俺達の再会に、複雑に縺れ合った運命の赤い糸がゆっくりと解け始めた。


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