中学生デート3(ノーパンデート)-6
個室の扉を少し開け、その様子を見ていた真奈美は、娘の涙を見て少し可哀想に思えたきた。
(泣かなくていいのよ。潤くん喜んでるんだから)
落ち込む真希に、真奈美は助け船を出すことにした。
「あっ、智子?あたしあたし……えっ?まだトイレの中や……隣の子か?どっか行ったわ。オナニーと違たみやいや。それより聞いてや。昨日メッチャ恥ずかしいことあってんで」
再びスマートフォンを耳に当てた真奈美は、捲し立てるように一人芝居を始めた。
「昨日、家でオナニーしてたらな……そうや、今度はあたしのオナニーの話や……まあ聞き。昨日、オナニーしてたらな、急に彼氏が来よったんや。あたし、慌ててパンツ穿いて出迎えたんやけど、ブラジャーずらしたままやったんや」
【ブラジャー】の単語にピクリと反応した真希は、真奈美の入る個室の扉に目を向けた。
「そうそう、乳首丸出しや……まさかオナニーしてたて言われへんやろ。ほんで『ブラジャーの中に虫が入ったんや』って誤魔化してん……それがや、男って単純やろ。信じとったわ。笑けるやろ」
個室から聞こえる【見知らぬ女】の声に、真希の心に光明が差した。
(そうよ、男は単純なのよ。お父さんもそうだし)
父親の単純さを、思い返してた真希の表情が明るくなった。
「ほんでな、あたしの乳首に興奮して、襲ってきよったんや……そうそう、オメコ濡れ濡れやろ、結局、オナニーしてたんばれてしもてん」
久し振りに使う言葉に歯止めが効かず、真奈美は言わなくてもいいことまで口走っていた。
(ばれちゃったの?)
真奈美の『濡れ濡れ』の言葉に反応した真希は、無意識に自分の割れ目に指を食い込ませていた。
(やだ…もう濡れてる…)
さっき拭いたにも拘わらず、中途半端な状態の女陰は、淫らな印を満たしていた。
しかし、一筋の光明を真希は逃したくなかった。
(だ、大丈夫よ。オマンコが濡れてるのがばれなければ、潤くんもオナニーしてたなんて思わないはずよ)
父親の単純さを潤にも当てはめた真希は、無理やり自分を納得せることにした。
真希はポシェットから取り出したポケットティッシュを数枚引き抜き、それを折り畳んで割れ目に挟んだ。
「ヨシッ!これでばれないぞ」
準備の整った真希は、気合いを入れてトイレの外に向かった。
(うふふ、単純な子ね。血は争えないわね)
個室の扉の隙間からその様子を見ていた真奈美は、高志譲りの単純な娘が微笑ましく思えた。
「真希ちゃん」
そして、トイレから出てきた真希の晴れやかな表情を見た潤は、真奈美譲りの単純さと素直さを微笑ましく思った。
「変なとこ見せてごめんなさい。ちょっとブラウスの中に虫が入ったからなの」
父と母の単純さを継承した娘は、恥ずかしげに、しかし、自信を持って言い切った。
「うぐっ…、そうだったんだ。羨ましい虫だな」
トイレの外から真奈美の話す内容を聞いていた潤は、笑いを堪えながら返した。
「さ、さあ、行きましょ」
とにかく色んなことを忘れて貰いたい真希は、潤を促した。
「あ、ああ、そうだな」
真希はスカートの裾を気にしながら、潤は真希の太ももをチラチラ気にしながら、ホームに向かって歩き始めた。
促したのはいいが、歩き始めた真希のその歩みは、さっき以上のチョコチョコ歩きだった。
「やだ…、カプGetのときのあたしみたいじゃないの…」
トイレの入り口から、真希の後ろ姿を見送っていた真奈美がつぶやいた。