未知華14歳、おもらしが見つかって…-9
彼女を帰した後、やはり僕は大きな不安に苛まれた。彼女が常識的な理知を働かせて今日のことを誰かに報告したら。あるいは彼女の奥底にある、責められたいという欲求に従って、あえて暴露したら。そう思うと、夜もなかなか寝付けなかった。
翌朝、僕が眠い目を擦りつつ、机に向かってボンヤリしていると、突然チャイムの音が響いた。僕はビクッと身体を跳ねて、昨日の想像通りに事が露見して、警察がやってきたのではないかと怯えた。しかし、
「こんにちは!」
明るい挨拶と共に部屋へ入ってきたのは、他ならぬ彼女だった。戸惑う僕をよそに、彼女は何も無かったかのように所定の席に着くと、開いたテキストを見つめながら、「今日も頑張らなくちゃ」と独りごちた。
僕が何も言葉を返せずにいたため、一瞬の間が空いた。すると彼女はパッと僕のほうを振り向き、困り眉の下に潤んだ眼を細めながらも口角を上げて笑顔を作りながら、言った。
「先生、オシッコしたいんですけど、いいですか?」
僕は一瞬目を丸くしたが、すぐに全てを悟って、
「ダメだよ、まず問題解いてから!」
「そんなぁ〜」
彼女の声には少しも困った様子はなく、むしろ楽しげに弾んでいる。眉は依然と八の字を描いてはいるが、細められた眼はこれから起こる悦事を待ちかねているようだった。今日も小便臭い一日になりそうである。