離-2
話しているうちにセッティングしてくれた料理は
部屋に丸いテーブルを持ち込んで
真っ白なテーブルクロスまでかけてくれた。
「素敵ね」
「加賀に感謝だな」
俺は白石の肩を抱き寄せて2人で笑った。
「俺と付き合うと決心してくれてありがとう」
「ううん。私こそ。好きになってくれてありがとう」
初めて抱き合ったその瞬間
彼女の体温がゆっくりと伝わってきた。
少し顔を離してゆっくりとキスをする。
舌先で唇を刺激すれば柔らかいその唇がゆっくりと開く。
それは俺が白石の心の中に入るのを許してくれた様で嬉しくなる。
「愛してるよ」
心の底から出た自然な言葉ごと舌先に乗せて
白石の口の中に送り込んだ。
彼女の口の中でこの言葉が溶けて
体内に沁み込めばいいのに。
角度を変えて何度も何度もキスをする。
始めは硬かった彼女の背筋が
そのたびに俺にもたれかかってきて
俺は表現できない満足感に満たされた。
ゆっくりと身体を離して顔を覗き込むと
白石は今まで見たことのないような瞳で俺を見つめていた。