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【SM 官能小説】

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宴 〜忌憶〜-9

9 ぱふっと軽い音がして、智佳はベッドの上へ投げ出された。
「離れ、ないで……抱いてて……」
涙が、目尻に滲んでいる。
「大丈夫。ずっと離れないから」
胤真は智佳に覆いかぶさり、体を抱え込んだ。
「胤真、胤真ぁ……!」
無我夢中で抱き着きながら、智佳は涙を流した。
―草薙家、智佳の部屋。
年頃の女の子らしいパステルカラーを基調とした部屋にある使い心地の良いベッドの上に、二人はいた。
「気が済むまでずっと、抱いてるから……」
「ん……」
智佳はうなずき、安らいで目を閉じる。

とくっ、とくっ、とくっ……

頬を押し付けた胸板から伝わる、胤真の心音。
みじめな気分は払拭されたのに、何故かまた涙が出て来た。
「大丈夫……大丈夫だからな……」
優しい抱擁と言葉が、智佳の心と体を隅々まで解きほぐした。
「……ね」
「ん……?」
「……抱いて」
胤真は、智佳を抱きしめる。
「違うの……」
身をよじり、智佳は言った。
「違うって……」
では意図するところは、一つしかない。
「胤真を、感じたい……」
意外な申し出に、胤真は目を丸くした。
「智佳……やけっぱちになってないか?」
智佳は首を横に振る。
「レイプされた女は……抱けない?」
「馬鹿」
胤真は顔を傾け、智佳の唇をついばんだ。
「それならどうして手が出せる?」
「じゃあ、お願い……抱いて……」
あきらめたようなため息をつき、胤真はそっと唇を重ねる。
「ん……」
片手の指を絡め、胤真は唇と舌とで智佳の顔を優しく愛撫し始めた。
額にキスし、まぶたや頬に舌を這わせた後、軽い口付けを送る。
すると智佳の方から唇を開き、舌を伸ばしてきた。

ちゅっ、くちゅっ……

舌を絡め合う湿った音が、室内に響く。
「ん……ん……」
混ざり合った唾液を嚥下し、智佳は甘く鼻にかかった声を上げた。
「ん、はぷ……」
たっぷりと時間をかけたディープキスで、互いの興奮がいやがうえにも高まる。
「胤真……あっ」
キスを終わらせた胤真は視線を絡めた後、首筋へ唇を落とした。
「ひゃっ……」
くすぐったさに、智佳は声を上げる。
「あぁっ……ん、ふううっ……」

ぞぞぞっ

くすぐったいのと同時に官能を煽られ、智佳は全身の肌を粟立たせた。
首への愛撫を続けながら、胤真は空いた手を使って智佳が身に着けているパジャマのボタンを外していく。
上衣を脱がせると、白い肌が露になった。
ブラジャーは、着けていない。
両の乳房は目を見張るほど大きくもないが掌に収まり切るほど小さくもなく、やや大きめの程よいボリュームを保持している。
その頂点に息づくやや赤みを帯びたモーブピンクの乳首を、胤真は舌に乗せた。
「んッ」
乳首を舌で転がし、乳房を掌で優しく揉み込む。
「んぁっ……あっ、ああっ」
たちまちのうちに堅く立ち上がった乳首に恥ずかしさを覚えながら、智佳は愛撫に身を任せた。
胤真は交互に乳首を味わい、それを限界までしこり立たせる。
「やっ……胤真……」
下衣に手をかけて引き下ろす準備をしつつ、胤真は乳首を舌で弄び続けた。
「ん?」
返事をしながら乳首を唇で挟み、きゅっと引っ張ってから、離す。
弾力に富む事を示すぷるんとした揺れ方は、白い肌とあいまってさながら苺ソースを垂らしたババロアを二つ並べたようだった。
「あっ」
胤真の手が下衣を脱がし、ショーツ越しに溝を撫で始める。

ちゅく、ちゅぷ、ぬるううっ

溜め込まれていた愛蜜がたちまちのうちにショーツを濡らし、中身を浮き上がらせた。
「ひはっ、あっ、いあっ」
腰周りの筋肉を痙攣させ、智佳はのけ反る。
「凄いな……」
胤真はショーツ越しに秘裂をいじった指を、智佳の目の前へかざして見せた。
「ほんと、洪水……」
指にたっぷりと絡み付いた愛液は、だいぶ粘度が高い。
「やっ……馬鹿……」
智佳は、頬を赤く染めて抗議した。
胤真が指に絡んだ蜜を、舐め取ったのである。
しかも、わざとはしたない音をたてて。
「やめて……」
目の前で自分の分泌物を味わわれるというのは、予想以上に恥ずかしかった。
「やめない」
胤真は指を伸ばし、ショーツ越しに溝の上端にある突起を捏ね回し始める。
「ひひゃっ!?!」
びくびくびくっ!と、智佳の全身に痙攣が走った。
「イッちゃったな?」
胤真は微笑んで軽いキスをし、再び突起を責める。
「ひうっ……!」
智佳は腰を浮かし、指に押し付けて胤真へさらなる愛撫を求めた。


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