投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

【SM 官能小説】

宴の最初へ 宴 46 宴 48 宴の最後へ

宴 〜忌憶〜-11

11 「ひはっ……!」
智佳の全身に、痙攣が走る。
「胤真っ……胤真……」
名前を呼びながら、智佳は胤真の首にすがりついた。
「お腹……あったかいよ……胤真が、いる……」
愛撫で忘れかけていた切ない思いが、智佳の中に蘇る。
智佳の中をたゆたいながら、胤真は智佳を包むように抱きしめた。
「傍にいるから、大丈夫……今は、俺だけ感じて?」
「うん……!うん……!」
抱擁を解かずに、胤真は腰を動かし始める。
智佳が足を腰に絡めたためにスピードはゆっくりと、だが深くきつく繋がり合う。
ついばむようなキスを送りながら、智佳が最大限に感じるよう、胤真は腰を動かした。
突如蘇った悪夢を、払拭できるように。
「胤真、胤真ぁ……!」
智佳が、ぎゅっとしがみつく。
「何度イッてもいいよ。満足するまで、抱いてやるから」
そう囁かれて、智佳は首を横に振った。
「やだっ……胤真も、一緒に……イこ?」
「難しいだろ、それ」
胤真は苦笑する。
「私、動くから……」
もぞもぞと、二人は体勢を入れ替えた。
仰向けになった胤真の上へ、向かい合うように智佳が乗る。
そして智佳は、腰を上下に動かし始めた。
「あっ……んくあっ、あっ、あっ、あっ!!」
自重がかかり、いつもより深い結合になる。
胤真は、智佳の律動に合わせて子宮を突き上げた。
「やあっ、駄目、胤真、動いた、らあっ……!」
胤真が腰を止める間もなく、智佳は絶頂を迎えてしまう。
「……だから言ったろ」
胸の上に倒れ込んで荒い呼吸を繰り返す智佳に軽いキスをし、胤真は智佳を抱きしめて体勢を変えた。
智佳の足を自らの腰に絡ませ、ベッドから立ち上がったのである。
「ひぎぃあっ!?」
智佳は迷わず胤真の首にかじり付いた。
子宮口を突かれるのはいつもの事だが、これではそこを突き抜けて子宮内膜を直接擦られてしまうのではないかという思いに襲われる。
「やめ、やめてっ……これはっ、嫌ッ……!」
「まあそう言うな」
胤真は、腰の律動を開始した。
「いひぃあがぎゃあっ!!?」
突き上げられる度に子宮を突き破られそうで、智佳は悲鳴を上げてしまう。
耳元で怒鳴られる胤真はさぞうるさいだろうが、智佳はそんな事に構っていられない。
何度も子宮を突かれた後、智佳はようやく開放された。
ベッドの上に降ろされ、智佳は肩で息をする。
「ひ……どいよ……胤真……」
「ごめん。いじめ過ぎたな」
「……キスして」
智佳は唇を突き出した。
「そしたら、許す」
「了解」
胤真は、格別に優しい口付けを送る。
ゆっくりと唇を重ねながら、胤真は腰を使い始めた。
「んう、む……んふん、ふむう……」
甘い声を上げ、智佳は胤真にすがりつく。
「智佳……今度は、一緒にな?」
ただでさえ赤い頬をさらに赤く染め、智佳はうなずいた。
胤真のピストン運動が、少しずつ速くなる。
「あっ……ああっ……胤真、胤真あぁ!来て、来てええっ!」
ひと足早く、智佳は絶頂に達した。
そして胤真も、智佳の中で果てる。
「あ……お腹、胤真でいっぱい……すご……熱い、よ?」
「……当たり前だろ」
どこか憮然とした口調で、胤真は言った。
「興奮すれば熱くもなるし、量も出る」
「うん……嬉しい……」
智佳は、微笑んで腕に力を籠める。
「あの、ね……胤真……私……胤真、が……」

かくっ……

肝心なところを喋らぬまま、智佳は唐突に眠りへ落ちた。
「こ……このヤロッ……俺がっ……俺が一体何なんだっ!?」
疑問が解かれるのは、もう少し先の事である。


宴の最初へ 宴 46 宴 48 宴の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前