この部屋-1
窓際で、君が微笑む。
平和で無垢なその表情を見て、改めて俺は君への想いの強さに気づく。
この部屋で俺と君は愛し合った。
心でも…体でも…何度も何度も…。
モヌケのカラになったこの部屋には、確かに二人の軌跡が残っている。
でも…君はもういない…。
君の想いは、俺の掌をすり抜けていってしまった。
いくら想っても、いくら後悔しても、君にはもう届かない。
だから俺は、この部屋を出るんだ。
これ以上、時を止めないために。
前を向いて歩けるように。
君の名残と、俺の想いを残して………。