地下聖堂のシスター 〜祈り〜-2
「ごめんなさい、シスター野宮。僕、とんでもないこと、してしまいました。取り返しのつかない罪を犯してしまいました。どうか、どうか許してください。
シスター、この罪を償うのにはどうすればいいんでしょう?。教えてください、シスター野宮!!」
教会地下の石造りの狭い聖堂に、僕の声がこだまする。
日曜日、500人前後の信者が集ってミサが行われる1階の大聖堂は平日も一般に開放されている。
だが、地下のこの聖堂は毎朝早く神父がミサをたてるだけで、その後は奉仕の女性信者が掃除に来るくらい。午後、人が来ることはない。
学校をさぼった僕はその日の午後、この地下聖堂に教会の手話サークルで講師をしているシスター野宮を呼び出し、犯したのだ。
十字架の前で、欲望の赴くままに、シスターの陰部を穢し、その体奥深くに大量の精液を注ぎ込んだ。
その一部は流れ出たが、大半の精子たちは、今、我先にとシスターの子宮の奥へ、奥へと突き進んでいる。
謝罪の言葉とは裏腹に、そんなことが頭をよぎる。
シスターの前に跪き、頭を下げる僕に、良心が問いかける。
「浩二、今感じている良心の呵責はニセモノか?。神を欺く、ただの演技か?」
演技?。違う。本当に後悔しているのは確かだ。
でも・・・・なぜ、「精子がシスターの子宮へ」とか、考えたんだろう?
そういえば、シスターの陰部をぬぐったパンティを、さっきかばんにしまい込んだ。なぜなんだろう?
僕は多重人格者?、ジキルとハイド?
僕の中には悪魔が棲みついているんだろうか?
聖堂を静寂が包み込む。
どれくらいの時間がたったかわからない。
僕の両肩に、そっとシスターの手が置かれた。
両手を床についたままの僕に、起きるように促している。
恐る恐る顔を上げた。
シスター野宮の柔らかい手のひらが、僕の頬を包む。
「お祈りしましょう!!、一緒に。神様に、お許しくださるようにお願いしましょう!!。悪いのは三井君だけじゃないと思いますよ。私にも悪いところが
あったはずですよ!!」
「違います、シスター。シスター野宮は悪くなんかありません。僕が、僕が、シスター野宮に乱暴したんです。犯したんです」
泣きながら、僕は椅子に座ったシスターの両膝に顔を埋め、シスターの腰を両手で強く抱きしめた。
「静かに!、三井君。上にだれかいたら聞こえます!!。とにかくお祈りをしましょう!。私の後に続けて!、復唱するの!!。いいですか?」
ささやくような声で、シスター野宮が祈り始めた。
「天にましますわれらの父よ…」
シスターの両足の間に顔を埋めたまま、僕が続ける。「天にましますわれらの父よ…」
「願わくは御名の尊まれんことを」・・・・・「願わくは御名の尊まれんことを」
「御国の来らんことを」・・・・・「御国の来らんことを」………
祈りながら、シスターの手が僕の髪をやさしく撫でる。
僕は・・・・・・シスターの腰にまわした手に力を入れ、抱き寄せるようにして、両膝の間に顔を埋める。
声を殺して泣いている・・・・・ように見えたかも知れない。