第6章 不倫の入り口はクリスマス・イヴ-4
お互い一糸纏わぬ姿で朱音の上に体を重ねベッドの上で抱き合い濃厚なキスを交わしていた。田澤は女に慣れていた。朱音の気持ちをゆっくりと官能の世界に誘って行く。絡み合う舌が朱音の興奮を高めて行く。
「立花…」
「んん…課長…」
「俺が守ってやる…」
「はい…」
朱音はうっとりとした表情で田澤を見つめる。左手で朱音の髪を撫でながら唇を首筋に這わせる。
「はぁ…ぁん…」
体をくねらせる朱音はゾクっとした体に鳥肌を立たせる。首筋から喉元、そして耳を丹念に口撫する田澤に朱音のくねりは止まらない。同時に太股に這う田澤の右手に朱音は思わず内股に力を入れる。その隙間に忍び込み腿の内側をゆっくりと撫でる田澤。足の付け根から膝までの間を何度も何度も撫でていた。
まだ女の体の中で敏感な部分を撫でられていないにも関わらず、朱音は濡らしていた。自然と体から興奮を表す体液が滲み出す。
(熱い…、体が熱い…)
男との行為でこんなに興奮を覚えた事はない。これからどんな愛撫をされどれ程気持ちよくしてくれるのだろうと期待してしまうのは初めての事であった。愛液の分泌が止まらない。いつ右手が足の付け根を越え触られるのも恥ずかしいぐらいに濡れた湿地帯に入ってくるのだろうと思うと更に体を熱くした。
田澤の右手は湿地帯をわざと避けるようにゆっくりと這い上がって来た。脇腹をゾクゾクさせながらその手は朱音の豊満で張りの良い美乳を覆い被しゆっくりと円を描くように揉み回す。
「ああん…課長っ…」
「立花…、お前は美しい…」
うっすらと開けた瞳で田澤の目を見つめる朱音は、女としての喜びを感じた。今まで男と張り合っていた自分が嘘のように心の中は幸せでいっぱいになる。
「立花…」
「課長…」
思わず好きですと言ってしまいそうであったが、言葉を飲み込んだ。田澤は妻帯者で子供もいる。それに田澤が抱いているのは部下への愛だ。それを勘違いしてはいけないと朱音は思った。
田澤の掌の中で乳首に張りを持たせて行く朱音。掌に圧迫され快感が断続的に体にしみてくる。
「あっ…ぁん…」
髪を撫でていた左手ももう片方の胸をすっぽりと包み込む。朱音は目を閉じ指を咥え控えめな喘ぎ声を零す。ふと少し目を開けると胸を見ながら揉んでいる田澤の顔が見え、思わず恥ずかしくなりすぐに目を閉じた。既にツンと勃った乳首を見られるのが恥ずかしかった。そしていつ乳首を撫でられるのかと思いドキドキしてしまう。
「ああん…!」
甘い電流が瞬時に体を駆け巡る。左右同時に乳頭を人差し指でゆっくりと転がされる朱音。堪らず喘ぎ声を響かせた。ゆっくりと何度も何度も乳頭を転がされ頭がおかしくなりそうであった。下半身が一気に熱を帯びる。今までと比べ物にならない程の愛液がジュワッと滲んだのが分かった。
「美しい…。本当に立花な体は美しいな…」
そう言って吸い寄せられるかのように田澤は唇を乳首に寄せる。胸に田澤の鼻息が生々しく吹きかかった瞬間、朱音は身構えた。
「ああっ…!んんんっ…!」
湿った柔らかな感触が乳首に伝わる。田澤の乳首の表面をソフトに舐める舌に頭を左右に振り悶える朱音。何度も体をビクン、ビクンと反応させる。