〈略奪の雨音〉-10
「はぎぃッ!?はず…外しぃッ!!……あ…あひぃッ!!外してお願いぃぃッ!!」
涙とは頬をつたうもの……奈々未は今の今までそう思っていた……しかし、身体が泣いてしまった時、涙は思わぬ所から溢れ出るものだと知らされた……沸き上がる笑い声と罵声……奈々未の股間は、いま涙に濡れた……。
『なんだコイツ、便所脇に湧いた虫で濡らしやがったぜ?』
『まだダンゴ虫乗っけて五分も経ってねえってのに。なあ、真夏。見ての通りコイツは変態だぜ?「人間より別の生き物が好き」なんだってよぉ』
『イッヒヒヒ!こいつあ凄えや。乳輪パンパンの乳首フル勃起だぜえ?』
「ッ〜〜〜!!」
ニップルポンプとダンゴ虫の効果か、乳輪も乳首も先ほどより肥大が進み、彩りもより鮮やかさを増して凛と天井を向いている。
緊縛された姿も無様ならば、この悪戯を加えられた胸もまた負けずに無様である。
それは奈々未の美貌との対比からくる哀しさであり、ベッチャリと濡れてしまったパンティに似つかわしいくらい淫らである。
『へえ〜、ここが奈々未ちゃんの“スケベ穴”かあ〜』
「あぁッ!?やあぁぁぁあッ!!」
ピンク色の股布に現れた濃色の一点に指先が触れると、奈々未は金切り声をあげて顔を振り乱した。
それは麻衣や里奈と全く同じ、女性としての〈意思表示〉である。
『こ〜んな変態プレイで濡らしちゃうようなオマンコが、イチャラブセックスなんかで満足出来るのかい?それもチンポも無いレズプレイなんかでさあ?』
「だッ…だから何なのよぉッ!?さ、触るな…ッ…触るなよおぉッ!!」
『なんか……言ってるそばから染みが拡がってきましたねえ?』
『割れ目も浮いてきたな……ヒヒッ…マンビラも透けてきたぞぉ〜?』
スッ…スッ…と指先が上下するたびに恥辱の染みはジワジワと拡がっていき、やがて秘密の花園に咲いている花弁の輪郭までも薄布は浮き上がらせていく……解剖から逃げられぬ蛙よろしく奈々未の股間は緊縛で動けず、全ては男達の為すがままだ……。
『おい真夏ぅ、おまえ奈々未のオマンコ視たいんだろ?好きな女のオマンコ……ククク…視たいに決まってんよなあ?』
「ッ…!!!!」
もし二人きりでベッドの上だったなら、きっと真夏は欲望のままに手を伸ばしただろう……。
だが、それは今の状況下では有り得ない。
今や奈々未の貞操は、自分のものより大切なのだから……。