セーラー服の夕べ-4
「麻生、大丈夫か?」
その声に気付いた遥香が目の焦点を合わせると、川島が心配そうな顔でこちらをのぞき込んでいる。
「あんまり、大丈夫じゃないです……」
肩で息をしながら遥香は答えた。はあ……はあ……と全力疾走の後みたいに息切れがする。汗を吸ったセーラー服が少しだけひんやりした。
恨めしいラケットが膣から引き抜かれると、今度は川島の口がそこにむしゃぶりついてくる。
「ひゃんっ……」
スカートの内部で繰り広げられる情熱的なクンニリングス。川島の頭を両脚で挟み、黒いお下げ髪を左右に揺らしながら官能に身を委ねる遥香。道徳を無視した二人は間もなく下半身で繋がり、不適切な関係を紡ぐためにお互いの肉体を求め合う。
教師と教え子、どちらかが満たされるまでセックスは続いた。それは川島かもしれないし、遥香かもしれなかった。
とっくに時間の感覚が麻痺しているので、行為に費やした時間は長くも短くも感じられたが、遥香としては一刻も早く私服に着替えたい気分だった。ぐずぐずしてたら円藤と櫻井が帰ってきて、自分たちにもやらせろと恐い顔で迫ってくるかもしれない。
「ちょっと、シャワーを浴びてきます……」
あちこち清潔感を失ったセーラー服姿の遥香は、脱ぎ捨てられた服や下着を拾い上げると、浴室に向かってとぼとぼと歩き出す。
髪の毛には川島の匂いが移っていた。家から持参したシャンプーとリンスを二階の部屋に置いたままだったので、遥香は階段のそばまでやって来ると、何となく背後に人の気配を感じて振り返った。