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濡レ羽色ノオ下ゲ髪
【ロリ 官能小説】

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クラスメート-3


 そのまま階段の踊り場まで移動すると、彼は携帯電話の画面をこっそりこちらに向けて、「これ、どう思う?」と訊いてきた。
 画面に表示されているのは、遥香たちの通う中学校の非公式サイトの掲示板だった。
 匿名なので個人を特定することはできないが、その中の一つに次のような書き込みがあった。
「この前、三年A組の真鍋由希子を病院で見かけた。どっちかの腕が包帯でぐるぐる巻きになってた」
 それに対してのレスもあった。
「あたしも見た。噂によると、レイプされてひどい怪我をしたらしい」
 レイプという赤裸々な表現に吐き気をもよおした遥香は、信じられない思いで顔を上げた。
 こんなのは嘘だ、由希子の母親は風邪だと言っていた、だからこの書き込みは悪質ないたずらだ──遥香は大森俊介に対してそのように伝えた。
 彼も同感らしく、恐い顔をしてうなずき返してきた。
 事実でないとすれば、一体誰がこんな噂を流しているのか。真鍋由希子という実名を出しているところを見ると、彼女に対して相当な恨みを持っている人物、あるいは歪んだ恋愛感情を抱いている学校関係者か。
 いずれにしても、相手の顔が見えないというのは気味が悪い。
「私、今日の帰りも由希子の家に寄ってみる」
「うん、そうしてくれると助かるよ」
 大森俊介とはそこで別れた。いくら学級委員同士といえども、男子と女子が二人きりでこそこそしていたら、どんな噂が立つかわからないからだ。
 午後になると遥香は昨日と同じ手順を踏んで、クラスメートを見舞うべく下校の支度を始めた。
 一瞬、ネットの掲示板に書かれていた内容が脳裏をよぎり、全身に鳥肌が立った。自分も狙われないだろうか。法律が性犯罪から救ってくれると言い切れるだろうか。
 そんな時に遥香がイメージしたのが、櫻井教諭の狡猾そうな顔だった。彼ならば女子生徒に手を出していたとしても不思議ではない。
 生きた化石、シーラカンス──笑ってはいけないと思いつつも、どうしても櫻井とシーラカンスが頭から離れなくなり、ついにクスッと吹き出してしまう。
「ずいぶん楽しそうだね。何か良いことでもあったのかい?」
 突然の声に遥香が振り返ると、そこには背広を着たシーラカンスが立っていた。
「櫻井先生……」
「まさか、今日も残れないなんてことはないよね?」
「じつはその……」
「そうかそうか、残ってくれるか。学級委員はそうじゃないといかん」
 遥香の声を掻き消すように櫻井は声のボリュームを上げた。
 生徒はおとなしく先生の命令に従っていればいいんだ──教師の目はそう語っていた。


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