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濡レ羽色ノオ下ゲ髪
【ロリ 官能小説】

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クラスメート-2


 真鍋由希子の家は、学校から歩いて十五分ほどの団地にある。洋風な外観の白い建物で、緑の多い庭はバーベキューが楽しめるくらいの広さがあり、遥香も何度か真鍋家に招待されたことがあった。
 今年は中学生最後の夏になるのだし、また誘って欲しいな──と遥香は期待に胸を膨らませながらインターホンを押した。
 すぐに応答があり、由希子の母親が玄関のドアから姿を見せた。主婦のお手本のような物腰は、同性の遥香でも気後れしてしまうほど上品で、中学生の娘がいるとはとても思えない。
「遥香ちゃん、わざわざ来てくれたの?」
 由希子の母親は申し訳なさそうに目尻を下げた。心なしか元気がないようにも見える。
「学校から預かってきた物があるので、それを届けに来たんです」
「ありがとう。いつも悪いわね」
「いいえ、そんな」
 遥香は照れ笑いを浮かべながら首を振り、それからプリントを何枚か鞄から取り出して手渡した。
「あの、由希子の具合はどうですか?」
 遥香が訊くと、由希子の母親は色白の顔をさらに白くさせ、一瞬だけ深刻な表情をのぞかせた。まさか、悪い病気にでもかかったのだろうか。
「学校のみんなに心配をかけさせちゃって、ごめんなさいね。でも大丈夫。ちょっと風邪をこじらせただけだから」
「どれくらいで治りそうですか?」
「多分……二、三日もすれば良くなると思うんだけど。ほかの子に移すといけないから、登校できるのはもっと先になっちゃうかも」
 そうですか、と遥香は納得したふうにつぶやいた。ほんとうは由希子の顔を見たかったのだが、どうやら会わせてもらえないようだ。
「おじゃましました」
 遥香はきちんとお辞儀をして、由希子の母親に見送られながら訪問先を後にした。
 明くる日も由希子は学校を休み、釈然としない気持ちのまま遥香は授業を受け続けた。
 黒板に書かれた文字をノートに書き写していくだけの単純な作業が、今日に限ってはとても億劫に感じられた。
 やっぱりクラスの全員が揃ってこその三年A組なのだと、目に見えない『絆』の存在をあらためて思い知った。少々くすぐったい言葉ではあるけれど、学校という閉塞された空間においては、あらゆる場面で『絆』がその効力を発揮する。
 だがその日の昼休み、遥香の思いは裏切られることになる。
「麻生、ちょっといいかな?」
 声をかけてきたのは同じクラスの大森俊介だった。遥香と同じく三年A組の学級委員を務めている。


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