第9話『エール交換』-3
「ケッ、ケツ、ケツマンコッ! ケツマンコですぅぅぅぅ!」
「最初からそれくらい声ださんかいやっ、もういっちょっ」
バシィッ。 竹の模様までくっきり浮かんだ桃尻に、容赦なく叩きつけられる竹刀。
「ケツマンコでぇすぅぅぅっ!」
「次ッ、叩きやすいようチチマンコ寄せろっ」
「め、牝忍ッ!」
お尻を突きだした姿勢から、身体を前傾して脇を締め、言われるがまま双乳を寄せてあげる105番。 涙をポロポロ零し、それでも顔を下ろすことなく正面を睨む。 そこにはBグループ生が振りかぶった竹刀の先端が揺れていた。
ぷにゅ。 乳房にめり込む竹刀の先。
「このだらしない肉は何だ」
「……すぅー」
ゴクリ、唾を呑み込んでから深く息を吸う。 105番の頬は引き攣っていた。
「チチマンコでぇすぅぅ!」
「聞こえるようにいわんかぁッ」
耳元で大声を叫ばれたというのに、全く動じることなく竹刀をかざすBグループ生。 そのまま105番の肉づきよい乳房に向けて、
ビッシィッ。
「ひぐっ! ……ちっ、チチマンコでぇぇすッ!」
「もういっちょうッ」
バシィッ。
「ぎっ……ちっ、チチマンコ! チチマンコですぅぅぅ!」
「そんなんじゃお隣さんにも届かんぞぉ」
バッシィッ。
「ち、ちちまんこでぇぇぇッす!!」
呑気な口調で『聞こえない』を繰り返す応援団員に対し、喉を枯らし、過呼吸ギリギリまで追い詰められて喘ぎながら、大声を返すCグループ生。
「けほっ……ひっ……いぐっ……」
「もっともっとぉ。 まだまだ声は出せるだろぉがぁ」
「……め、牝忍ッ!」
「こっからは全身いくぞぉ。 チツマンコ、ケツマンコ、ヘソマンコ、チチマンコ……全部叩きやすいよう、両手はしっかり上にあげ、足は思いきり広げんかい」
「そ、そんな……」
「さっさとせんかぁ!」
「め、牝忍……!」
応援団員としては、既に限界まで声を張りあげているのは充分伝わっているだろう。 それでも更に声を出すよう要求するのが応援団であり、その要求に応えるのが応援練習だ。
実際の声の大きさなんて、実は誰も聞いていない。 もちろん、監督している私にしても、気にしているのは団員が逸脱した指導をしないかのみ。 新人の声量なんて気に留めていない。
2組の体育委員は15番。 少し離れた所で『クラス旗掲揚』を練習している。
体育祭当日における体育委員の出番は『応援合戦』と『クラス旗』だ。 クラス旗では、学園祭で掲揚した旗と同じ模様を膣中心にボディペイントする。 その上でクラス席にポールを立て、ポール先端まで登ってから全方位に向かって開脚することになる。 学園祭ではワイヤーで固定して貰えたが、体育祭ではそうはいかない。 ポールの先端に登った上でV字開脚し、そこからつま先を頭上に合わせ、脚でもって『O字』をつくる。 そうして爪先と両手で身体を支え、股間のクラス旗がどこからでも見えるよう、お尻を浮かせて待機するわけだ。 自分の出番以外はずっとポールにぶら下がり詰めで、しかも残暑厳しい直射日光に晒されるクラス旗……決して簡単な務めじゃない。
「旗のくせに動いてどぉする。 ピシッと静止せんかいや」
「牝忍ッ!」
「ちゃんとケツ穴まで見せんかい。 チツマンコはポールから浮かせてなんぼやろうが」
「牝忍! つっ……んいぃっ……!」
クイ、クイ、クイ。 少しずつポールとお尻が離れ、恥骨がうっすら浮かびあがる。
脚の付根をパックリ広げて股間を揺らす様子は、ヤジロベエが先端で揺れている様だ。 正面から眺めると腰だけクイッともたげているため、乳房も膣も、肛門まで一目瞭然。 あとは股間にクラス旗の模様を描いたならば、立派に恥ずかしい旗役が勤まるだろう。
「……」
今の所、無茶な指導は見受けられない。 新人たちも、決して優秀とは思えないが、最初はこんなもんだろう。 あと2週間ちょっとでどこまで鍛えられるか――来賓に恥じない応援合戦を披露できるか――応援団の腕の見せ所であり、指導してきた私の成果も問われる場面。 願わくは事故や怪我なく練習し、どこに出しても恥ずかしい淫らなオマンコ応援に仕上げること……私を含めた応援団一同が願うところだ。