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真っ赤なリース
【スポーツ 官能小説】

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第1章 不倫-5

女に比べて余韻の短い男は男性器の萎えと共にすっと霧が晴れるかのように性欲も収まる。足元にグッタリしている朱音をよそに男性器についた朱音の涎をティッシュで拭き取るとパンツとスラックスを上げ着衣を正す。

「立花、いつまで寝てるんだ。早く服を直せ。」
田澤の声にまだ余韻が残りまともに力の入らない体をゆっくりと起こす。俯きながらベッドの上に丸まったパンティを少しボーっと見つめると手を伸ばしそれを手に取った。

田澤は鏡を見て髪型を直しながら言った。
「ブラジャーとパンティが違う色だなんてお前らしくないな。」
朱音はまだ頭をポーッとさせたまま、自液に塗れた性器を拭く事も忘れパンティを履いた。
「すみません…。」
「そう言う身嗜みから直していかないといつまで経っても交通部のままだぞ?捜査一課に戻りたかったらそんな些細な事でも気をつけなきゃダメだ。」
「はい。分かりました…」
朝急いでいたからと言う理由は言わなかった。誰が見ても上下違う色の下着はおかしいからだ。それは忙しさを理由にした自分の怠慢だと自覚した朱音は素直に謝った。

制服を正し足をもたつかせながら立ち上がる朱音はフラフラとベッドから降りる。
「おいおい、そのまま戻るつもりか?」
「え…?あ…」
朱音の顔には精子がベッチョリと付着したままだった。慌てて拭き取ると、制服にも付着しシミになりかけている事に気付き慌ててタオルを濡らして強めに拭いた。

「立花、しっかりしろ。お前らしくない。」
「すみません…」
今の朱音には男顔負けの凄腕刑事と呼ばれていた数ヶ月前までの姿は全く見れなかった。まるで叱られてばかりの新人のような朱音に田澤は溜息をつく。
「まぁ仕方ない。お前が立ち直るまでしっかり教育してやるよ。」
そう言って先に部屋を出ようとする田澤の背中を追いかける朱音。その背中に抱きつきたい欲望を必死に抑え田澤の少し後ろを歩く。

ホテルから出て田澤の覆面パトカーに乗る朱音。車を出す田澤の顔をルームミラーでチラッと見て切なさを感じる。
もっと一緒にいたい…、その願いを胸に秘める朱音。5分程車を走らせると一台のパトカーの後ろに車を停めた。

先に降りた田澤がパトカーに向かうと、ドアを開け朱音の上司に当たる吉川学が降りてきて敬礼する。遅れて朱音が覆面パトカーを降りて助手席に乗り込んだ。
「待たせて悪かったな。」
「いえ、では任務に戻ります。」
「ああ。いつも悪いな。」
「いえ、田澤さんのお願いですから!では。」
吉川は再び敬礼をして朱音の乗ったパトカーを走らせ、スピード違反取締りの現場に戻って行った。

朱音は吉川から顔を背け窓の外を眺めていた。これはいつもの光景であった。吉川は田澤の大学の後輩である。吉川は田澤に便宜を計りこうして2人が職務中に密会不倫する手助けをしているのであった。当然2人が肉体関係にある事は知っている。しかしそれを口にする事はなかった。

朱音は不倫をしている。しかし自分のしている行為はワイドショーで取り上げられるような、いわゆるゲス不倫とは違う純粋なものだと信じて疑わなかった。
周りが見えていなかった…、それは後から気づく事なのかも知れない。



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