「誰?」-3
「お前のせいでこっくりさんを怒らせしまっただろうが」
右手は相変わらず十円玉の上に置かれていた。
「こっくりさん、どうすれば許してくれますか?」
『ころせ』
最期の一瞬、そう移動したように見えた。
そして私の意識が戻る事は二度となかった。
「こっくりさん、こっくりさん……」
すっかり日が沈んでしまった時間帯。
教室で一人、十円玉に話し掛ける女子生徒。
「次に誘うのは誰?」
終