オマケ:【O−CLUB】創成期:日用品開発奇譚-8
「少し軽いけど、普通の自転車と極端な違いはないと思う。もう少し特色が出せないとね」
妥協を許さない恵子は、正直に答えた。
「そうなの…」
美弥子はその答えに肩を落とした。
「他に何か特色はあるの?」
「あるにはあるけど、試してみる?」
「な〜んだ、だったら試しましょうよ」
自身無さげに答える美弥子を気にせず、恵子は即答すると、再び漕ぎ始めた。
「ねえ、どうしたらいいの?」
再び漕ぎ始めた恵子が、振り向きながら訊いた。
「こっちで操作するから気にしないで」
「えっ?」
美弥子のこの答えに、恵子は数年前の出来事が脳裏を過りビクリとした。
恵子の脳裏には、幸樹と瑞季と交えて海水浴へ行ったときのことが思い返された。あのとき、泳いでいる最中に、水着に仕込んだリモコン式のピンクローターを作動され、恵子は溺れたことがあったのだ。幸い新司に直ぐに助けられ、人工呼吸で息を吹き返して一命を取り留めたのだ。
『あれって、一緒に忠くんがセックスしたから、喘ぎ声を漏らして息を吹き替えしたんだよね』
美弥子が笑いながらこの思い出話をすることがあった。そのときの恵子は、毎回殺意を覚えている。
それを思い出した恵子は叫んだ。
「なにするか知らないけど、止めて―――!」
しかし、慌てた恵子はミスをした。叫ぶよりもブレーキをかけて、自転車を止めることが先だったのだ。
美弥子はいつの間にか手にしていたリモコンのダイヤルをマックスまで捻った。そして起動スイッチを押した美弥子は、あのときと同じようにニヤリと笑っていた。
美弥子の手元から発せられた電波を、恵子の乗る自転車が受信した。その瞬間、眠っていた機能が息を吹き替えした。恵子の尻を乗せたサドルの先端部分が内部からせり上がり、柔軟性のある素材が密着していた割れ目を押し開いた。その部分が敏感な部分に接した途端、それはブーンッと激しく震え始めた。
「いや―――――ん」
さっきまでサドルに擦り付け、美弥子と幸樹にいたぶられて、敏感になっていたクリトリスに衝撃が走った。
マックス状態の激しい振動による快感で、恵子は自転車の上で女体を反らした。
「ダメ―――!イクウウウウ!」
瞬時に絶頂を迎えた恵子は倒れ込んだ。
ガチャーンと激しく倒れる自転車。その勢いのまま恵子は投げ出された。
「大変だ!」
慌てた幸樹が恵子の下に走りよると、恵子は股を開いたまま、白目を剥いて失神していた。
「うわぁっ、恵子さん、しっかりしてください!」
幸樹は恵子の両肩を持って揺さぶった。
「動かしたらダメよ!幸樹くん、どいてなさい」
うろたえる幸樹を押し退けて、美弥子が恵子の前に屈み込んだ。倒れる瞬間を見ていたが、運動神経のいい恵子は受け身を取って頭を打ってなかったように見えた。それでも、気を失っていることに変わりはない。美弥子は慎重にならざるを得なかった。
「コレで目を覚まさなかったら救急車を呼んで」
そう言った美弥子の手にピンクローターが握られていた。美弥子は、ヒクヒクと痙攣をする淫部に起動させたピンクローターを押し付けた。
恵子のクリトリスが細やかに振動した途端、その女体はピクリと反応した。
「いやあああん、ダメ―――――!」
直後に声を上げた恵子は、女体を捩らせて身悶えした。