家政婦との小旅行-34
自然な香りに包まれていた。綺麗に洗濯された女子の洋服の香りだった。柔らかい胸の感触が女性の全てを伝えてくれていた。
「エレナ、もう大丈夫。問題ない」
「ボス。エレナは大丈夫。だから泣かないで」
「OK。大丈夫だ。隣に座りなさい」
エレナはおでこにキスをして立ち上がり、隣に腰を下ろしてブロンドの髪を背中に向けて靡かせていた。流石の美貌だった。
凛とした姿勢で二人の女性を見つめるエレナは貫禄の美しさで微笑んでいた。
これがエレナの凄さだった。
「似合うわ。お似合いよ」
「やだ。格好いいんですけど」
アスカとユーカは美しいエレナを認めて笑っていた。
「アスカありがとう。最高のペンションだよ」
「これが私の仕事。何て事ないわ」
「エレナさんいいなぁ。とっちゃおうと思ったけど無理ね。二人の関係に私も泣きそうになっちゃった」
エレナは得意顔で二人を見上げて、美しい生脚を組んで外人だけが魅せれる豪華な体を惜しみなく魅せつけていた。
「もう、ずるい。敵わないわ。無理無理」
「ユーカ。エレナに後で謝るのよ」
はーい。と戯けた侑香はロシア人の面影が残る均等の取れた日本人の小顔で笑っていた。
「アスカ、夜ご飯の手配を頼む。エレナと二人でゆっくり食べるよ」
「おっけい。日本食用意しておくよ」
「そうだ、シャワー入ってきたら?」
ユーカは臆面も無く性行為直後の僕の体を気遣ってくれていた。ユーカに苦笑いした僕は、笑顔の頷きでアスカに感謝を伝えその場を後にしていた。
浴室で体を洗ってもらった僕は、湯船で強い疲労感を自覚していた。微量のジャグジーの泡に解される湯船で今日の性行為を振り返っていた。高級リムジンの車内でエレナを犯す強引な中出しSEXをした後、アスカに誘われるがまま犯した2回目の中出しSEXだった。その直後に体を休めようとしたものの、官能世界を創り上げたユーカと長時間に渡った官能SEXが3回目の計算になっていた。そりゃあ疲れるか。湯船で独り言を呟いて笑ってしまっていた。
「ボス、エレナは問題ないよ」
「ありがとう。なぁエレナ。この旅行では、君は僕の恋人だ。分かるか?」
「やだ、エレナはいつも貴方の味方よ」
エレナは不思議そうに顔を傾けて笑っていた。広い湯船に長い腕を伸ばして体を解したエレナは、いつだって貴方のものよ。と優しい声で呟いていた。
「本当に美しいな。本当はプロモデルなんじゃないのか?」
「それ、聞いていいのかしら?」
虚を突かれた僕は声を出して笑ってしまっていた。エレナが何者だろうと今の安堵を与えるエレナの存在が重要だった。綺麗なブロンドの髪に指を絡めて笑うエレナを抱き寄せ、大切にするよ。と真面目に話していた。抱き締められたエレナは、あどけない瞳を麗して幸せそうに僕を見上げていた。
「ボス、わたしお腹すいた」
「たしかに。ゆっくり食べよう」
「喉も渇いた」
「俺もだ。シャンパン、スパークリングワイン、ヴィンテージシャンパン。何だって構わない。何にする」
「エレナはビールよ」
爆笑してしまっていた。誰が見てもセレブ感が漂う豪華な女性が庶民的なビールを求める可愛らしさに心から笑ってしまっていた。
「そうだった。二人でビールだ」
「そう!早く上がろう」
エレナは僕の手を引いてダイニングルームに向けて立ち上がっていた。