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子供にはお菓子を、大人にはキスを
【幼馴染 恋愛小説】

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子供にはお菓子を、大人にはキスを-4

晴樹は高校時代の同級生で、クルミにとっては大切な友達のひとりでもある。
いまもお互いに一時間くらいで行き来できる場所に住んでいるから、こうして何かあるとついつい一番に連絡して呼び出してしまうのが習慣のようになっている。
一緒にいて楽しいし、女同士のときのようにあれこれ意識しなくていいのが嬉しい。
 サバサバ女を気取るつもりはないが、女の子特有のお世辞合戦や遠回しな自慢の言い合いがクルミはどうしても好きになれない。
 晴樹といると本当に楽でいい。
 好き勝手なことを言っても笑って許してくれるし、ナイショの話は絶対に誰にも秘密にしてくれるってわかってるから。
 でも、よく考えるとこの関係もいつまで続けていいのかわからなくなる。
 いずれ晴樹にだって恋人ができる日も来るだろう。
そうなったら、こうして気軽に呼び出すこともできなくなる。
クルミは大切な友達を失うことになるのだろうか。
そんなのは困る。
だったら、その前にいっそ自分が誰か他の人と付き合えばいいのかも。
だけど「誰か」って誰?
恋人ってどこに行けばみつかるものなの?
 このカフェの中にも恋人同士らしきカップルは何組もいる。
 彼らはいったいどこでどうやって出会ったのか。
まだ一度も恋愛経験のないクルミにとって、謎は深まるばかりだった。


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