第六話:サキュバス・イン・ザ・ハロウィン-2
ですが、やはりこういうイベントだと、ナンパ目当てで参加している男性も居ました。最も、私達もそれ目当てで参加しているんですけどね。私達に声を掛けて来たのは、三人組の男性達で、顔にゾンビのような血のりメイクをして居ました。一人目は、今風のちょっとチャラそうな茶髪の人、二人目は、背の高い眼鏡の人、三人目は、太って居て目が細い人、三人の服装は普段着でしたが、血のりを服にも付けて、ゾンビらしさをアピールして、見た目大学生風でした。
「ねぇねぇ、一緒に行かない?」
「二人だけじゃ寂しいでしょう?」
「お姉さん達、姉妹で参加してるの?」
馴れ馴れしく声を掛けてくる男性達に、何時もの私達なら無視していたでしょうが、そこはサキュバス状態の私達、逆に獲物が掛かったと内心笑みを浮かべました。ママは妖艶な笑みを浮かべると、男性達はママに見惚れて居ました。
「ウフフ、ありがとう・・・私達、実は母娘なのよ」
「エェェ!?マジィ?お母さん超若いじゃん」
「どうみても、姉妹にしか見えないよなぁ?」
私達が母娘だと知ると、男性達は、本当に驚いた表情を浮かべ、茶髪の人と太った人が、私達を改めて見て居ました。ママと私は、そんな三人を見て顔を見合わせて思わず笑っちゃいました。ママは機嫌を良くしたのか、そんな三人を艶めかしい視線で見つめ、
「ウフフ、人妻だけど、どうするのかしら?」
「美人母娘ッスよねぇ・・・」
「良かったら、俺達と一緒に歩いて、その後食事でもどうすか?」
「もちろん、俺らが奢りますよ」
ママが人妻だと分かり、男性達はどうするのかなぁと思いましたが、そのまま私達をナンパしました。ママはスマホをチラリと見ると、
「ウゥゥン・・・食事だけ!?私、娘と一緒だから、あんまり時間無いのよねぇ・・・」
ママは、男性達をちょっと誘うような視線で見つめると、男性達はちょっとガッカリした様子を浮かべました。ママに断られたと思ったんでしょう。茶髪の人が頭を掻きながら、残念そうな表情を浮かべると、
「アリャリャ、やっぱ無理っすか?」
「その逆、エッチしたいなら・・・直ぐにしてくれないと時間が無いって事よ・・・ねぇ、千聖?」
「もう、そういう時だけ私に話を振らないでよ」
ママは、こういう時だけ私に話を振って、狡いんだからぁ・・・
『エェェ!?マ、マジっすかぁ?』
男性達は、ママの方からエッチを誘われ、信じられない表情をしました。この中で、一番おとなしそうな眼鏡の男性は、辺りをキョロキョロ見渡しました。私とママは、不思議そうに首を傾げると、眼鏡の人は、私達を見てちょっと信じられないといったような表情で、
「ね、ねぇ・・・どっかに怖いお兄さんとか居ないよね?」
私達を、美人局かと疑ったのかも知れません。それもそうですよねぇ、母娘連れの私達からエッチを誘ったんですから・・・
ママは思わず笑いながら、
「ウフフフ、大丈夫よ、そんなの居ないから・・・私達、実はこの時期になると、エッチしたくなっちゃうの・・・主人公認だから、心配しなくても平気よ・・・どうする!?」
『ウォォォ!マジかよぉぉ!?』
三人は、思わず興奮して大声を出し、周りの人達が不思議そうな表情で私達を見ながら通り過ぎて行きました。ママは辺りを見渡し、
「私達、この街に来るのは初めてなの・・・どこか良い場所、知ってる?」
「ラブホで良いよね?この先にラブホ多いし・・・」
私達は、茶髪の人にラブホに誘われました。私は、噂には聞いた事あるけど、どんな所か想像も付かず、ちょっと興味を持ちましたが、ママは微妙な表情で首を傾げました。
「ラブホかぁ・・・お金掛かるし、外じゃダメ?」
ママがラブホを敬遠した理由が、私には手に手を取る様に分かりました。ラブホ何か行って居たら、他の男性とエッチする時間が無くなっちゃいますから・・・