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トリック・オア・パンティ?
【フェチ/マニア 官能小説】

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彩花の部屋で-2


 彩花は一人暮らしで、メゾン××というちょっとお洒落な賃貸アパートに住んでいた。 部屋は203号室。
 電気がついているので部屋にいるに違いない。今日は合コンに行かなかったようだ。

 くくくくくっ、待ってろよ、高本彩花! お前のパンティをいただきに来たぜ!

 原田はマスクを被ると、軽やかな足取りで階段を昇り、203号室のドアのチャイムを鳴らした。

「はい? どちら様ですか?」

 ドア越しにほのかの声が聞こえてくる。

「宅急便です。お荷物をお届けにあがりました」

 とっさについたウソだったが、彩花は何かを注文していたのだろうか、何の疑いもなくドアを開けた。
 そして目の前のカボチャのマスクをかぶった男を見ると、後ろに飛び跳ねて腰を抜かした。

「……!? ……!! ……!?」

 人は本当に驚くと、声が出なくなるらしい。
 口をパクパクしながら後ずさった。
 スカートを履いているので、美味しそうな太ももが見える。

「な、な、何なんですか……!?」

 少し落ち着いたのか、彩花がやっと声を出した。
 目には明らかに抵抗の意思がある。
 このままでは大きな声をあげられかねない。

「えっと……」

 原田はジャック・ランタンに言われた言葉を思い出した。

「トリック・オア・パンティ?」

 次の瞬間、彩花の表情が変わった。
 これが魔法の力なのだろうか、先程まで灯っていた抵抗の意思がその瞳から消えたように思えた。


 原田はふたたび尋ねた。

「トリック・オア・パンティ?」
「えっ、どうしたらいいの? どっちもイヤよ、恥ずかしい……!」

 彩花は顔を赤らめて迷っている。
 一心に思い詰めて、どちらにしようか、を考えている。
 どうやら、この魔法は、悪戯か下着かの二者選択を迫る魔法らしい。
 逃げたり、助けを求めたり、警察を呼んだりすることも出来るのに、それをしない。
 彩花にはそういう発想がないようだ。
 原田はさらに問いかけた。

「トリック・オア・パンティ?」
「だから、どちらもイヤなのよ」
「どちらかを選ばなければ、君はハロウィンの呪いにかかって一生セックス出来なくなってしまうんだぞ」

 これは原田がとっさに考えたウソだった。

「そんなのイヤよ!」
「ふん、可愛い顔をしてるくせにビッチだな。オトコのチ×ポがなければ生きていけないか? ならば悪戯≠選んだらどうだ? 俺が気持ちよくさせてやるぞ」
「誰があなたなんかに!」
「じゃあ、パンティをよこせ。ウンコがくっついてて、人に見せるのが恥ずかしいのか?」
「あたしのパンツは汚くないわよ!」
「じゃあ、脱いで俺に見せてみろ」
「だから、どうしてあなたにパンツをあげなきゃいけないのよ!」



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