終わらないハロウィンパーティー 〜狼は甘いものがお好き〜-2
「ちょっと……待って」
長い舌が鎖骨を撫でる。ゾクゾクと、腰のあたりから何かが這い上がってくるような感じがした。
酔った勢いで──なんて、いやだ。
そう思うのに、身体は素直に反応してしまう。
「俺なら、きっと君を満足させてあげられる。君の悦ぶことをたくさんしてあげられるよ」
「なに……その自信……」
首輪を引く彼の小指が肌をくすぐった。呼吸が乱れる。
彼が上目遣いにわたしを見て、湿り気を含んだ声で言った。
「俺、君のことが好きだから」
吐息が肌を震わせる。
彼の視線とわたしの視線が絡みつき、一本の線になった。
「返事はあとでいい。──ベッドの中で聞く」
そう言うと、彼はわたしを軽々と抱き上げた。
目のまわるような展開に、わたしは抵抗する間もなく飲み込まれていった。
背中がベッドに着地するやいなや、彼がわたしの服を強引に剥ぎ取っていく。
そして自らも服を脱ぎ、ベッドの下へ落としていった。
彼の肌は、肉食獣のようにキュッと引き締まっていて、艶やかに光っていた。どきりとする。
抗えない。まるで渇いたのどを潤そうとするかのように、わたしたちはお互いの身体をきつく抱きしめ合った。
アルコールのほどよくまわった身体を、肉欲が支配していく……。
「ねぇ、明かりを──」
「ダメ」
彼の目がギラリと光る。雄の目だ。
首輪とランジェリーのみを身につけたわたしは、その目に釘付けになり、動けなくなってしまった。
澄んだ湖のような目に、熱く滾るものが流れ込んでいる──そんなふうに感じた。
情欲的な表情。ちらりと覗いた舌が、わたしの肌を色めき立たせた。
再び、わたしの内側にある、たわわに実った果実が熟していく。じゅわりと溢れ出し、とろとろになって滴っていく……。
「紗奈ちゃん──好きだよ。好き」
甘い声。やわらかい唇が、スタンプを押すようにわたしの唇に重なった。
身体からちからが抜けていく。彼が唇をわり、舌をねじり込ませた。歯の裏側が刺激され、舌が舌に絡みついてくる。甘い吐息が零れ落ちていった。
彼がわたしのランジェリーを荒々しく取り去っていく。