終わらないハロウィンパーティー 〜狼は甘いものがお好き〜-10
「わたし、要くんのこと──ほとんど知らないのよ……」
「これから知っていってよ。なんでもおしえるからさ」
甘やかな気持ちが広がっていく。こんなことは初めてだ。こんな気持ちになるのは──。
このひとはきっと、先ほど言った通りにしてしまうだろう。わたしを夢中にさせ、離れがたくする。きっと。そう、だって……今でさえもこんなに──。
「要くん、わたしだって──強欲なのよ。それに、秘密主義者。大学でのわたしの顔を乱すようなことは許さないから」
「いいよ。君の秘密はひとつずつこの部屋で暴いていくから。この部屋の中だけで……ね」
彼が再びゆっくりとわたしの内側をときほぐし、開いていく。部屋の中に卑猥な音が響き、彼が小さく笑った。
「強欲な者同士、貪りあおうよ。この部屋ではいつだってハロウィンパーティーが行える。いろんなお菓子を持ち寄ってさぁ、楽しもうよ」
「いいわ、その案にのってあげる。あとで、あなたの電話番号をおしえて」
彼が嬉しそうにうなずき、大きく身体を揺らせた。
わたしは歓びの声をあげながら、快楽の階段を駆け昇っていった──。
<了>