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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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高三の春-9

「よいしょっとぉっ!!」

自身を奮い立たせるように腰を入れて運送業に励む。

「しっかし、大変な仕事なんだなぁー。」

辺りを見渡すと私と同じ作業服を纏った人たちが休むことなくテキパキと動き。電卓片手にボールペンで数量を確認する人、ケータイで器用に耳を当て、手帳にメモをする人、二人一組で梱包に運搬をする人たち。

自分なら出来る、私なら体力もあるし何でも出来る!そう生き込んだのは間違いだったか仕事なんて、いや企業何てどこもそうだけど、けど。

自信過剰も良い所だ…、こんなにもキツイだ何て。

「おーい!トラックに荷物を運ぶから手ぇ貸してくれー!」

現場のチーフらしき人に指示され、私はすかさず返事をし、すぐさま皆が運搬している所へ私も溶け込む。

「うわわっ!」

しかしその荷物は想像以上に重く、思わずガクンと段ボールを床に叩きつけてしまい。

「おいっ!急げよ、納期までに間に合わないぞ!」
「すみません!」

そう軽く会釈し、再びその重たい荷物を持つ、けど当然だがその重量は変わらず。

「ううっ…。」

持つには持てたがその動きはもう遅く、周りの人はテキパキと運搬をこなす。

私、何やってるんだろう…。

蓮に決意表明して、分かってもらえずまた怒鳴って、彼に初出勤の報告もせず一人で生き込んで、自分は何でも出来る私に右に出る者はない!…そう自分自身に大きく出て、その結果がこのザマだ。

重たい、でも負けたくない…。

テキパキと動きたい自分と、運送業にしてはやや小柄な高校生の自分の体が悲鳴をあげており。

もう、嫌だ…。

情けない、みっともない、そして助けて。

周りはこんなノロマな私に怒鳴るでもないが、どこか白い目で訴えられているように見える、「邪魔だなぁー、出来ないなら最初っから来るな」と…。

逃げ出したい、でもそんな事絶対したくない。

「蓮……。」

思わず口から洩れる言葉。

そう絶望に満ち溢れだしたその時。

「…大丈夫かっ!」

え……?


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