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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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高三の春-8

「彼女と別れるって…一体どういう事だよ!」
「……。」

思わず声を荒げる。

彼のどんぶりは今はほとんど空となり、スープがちょこんと残っているくらいで、僕が取り合えず食べなよ、とせかした事もあったけど。

僕らは彼の二の舞になるまいと会話しながら器用に食事も行った。

「ゴメンね若葉ちゃん、折角二人きりでディナーしようと楽しみにしてたのに。」
「いいよいいよ!楽しみなら行きで充分楽しんだし、帰りだって…それよりも。」

やっぱり、彼女も気になっているようだ。クラスの座席表の確認の時も伊吹さん少し様子が可笑しかったし。

「…僕、巴を……彼女を幸せに出来る自信、なくなってきた。」
「……。」

伊吹さんがバイトに出て今よりもっと良い大学に出て彼女らしいキャリアアップを図ろうという話を聞いたようだが。

その時も彼は話半分にしか聞いておらずさっきのようにまたふざけてしまい。

「まぁ、自信なくしたのはそれだけじゃないけど。」
「一条君…。」

彼は大好きな恋人である伊吹さんを受け止める、それも今後も……、それが上手く出来ないと知って。

「……巴ちゃん。」

それを聞いて伊吹さんの親友である若葉ちゃんも考え込み。

どうしよう…、このままじゃ二人は別れてしまう……。



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