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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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高三の春-7

「一条君!?」

若葉ちゃんとの予想外のディナーデート(近くの少し古いただのラーメン店だけど)に更に予想外の親友との遭遇に少し戸惑うも。

「………。」

声を掛けようと彼に近寄り声を掛けようとするがその横顔はとても生気がなくとても暗い表情で。注文したラーメンは麺を半分も残し、そのまま手をつける素振りも全くなく無意識にウーロン茶のグラスを握ったままで。

「どう、したんだろ…。」

グラスも沢山あったであろう氷もほとんど小さくなっている。

すると彼は僕らの視線に気づいたのかようやくこっちのほうを振り向き。

「……風馬君。」

「やぁ、奇遇だねこんな所で会うなんて。」
「君たちは……駆け落ちか。」

こんなにも元気ない癖にそういうジョークは言えるのが彼の凄いところだ。

「違うよー、私たち今夜はちょっと訳あって二人でディナーする事になったの。」
「…ふふ、良いねラブラブで。」
「一条君…。」

そういえば…。

「伊吹さん、彼女はどうしたの?」
「っ!」

そりゃーこんな時まで行動を共にするとは思えないけど、何だか。

「………。」
「一条、君?」

軽く聞いただけなのに、僕の問いに一度はハッと目を見開き、その後さっきよりも一層に顔が沈みだし。

「何か、あった?」
「風馬君……。」

すると彼は深い溜息と共に静かに語りだす。

「…えっ!?」

僕は彼のその第一声に思わず耳を疑った。



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