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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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高三の春-3

巴ちゃんが声をあげ、後ろを振り向くとそこに。

「風馬君!?」
「ふぅーやっと見つけた、人込み凄いねぇー。」

彼が私を探しに来てくれた、こんな人だらけな中。

不安そうに青ざめた表情をする私と相反して彼は余裕そうにニコニコとマイペースな顔をしていて。

名前を探す前に本人の姿を先に見つけるとは。

いつもと変わらない彼、でも隣に居てくれるだけで幸せな気分になる。

私は我に返り再び彼の名前を探すけど。

「そんな青ざめた顔しないでよ。」
「だ、だってぇー……風馬君こそなんでそんな余裕そうな顔してるのよ、私と一緒になれないかもしれないのよっ!」

もはや冷静さを失っていた私、するとそんな私を制止するかの如くポンっと人差し指をある氏名に触れる。

「あっ…。」

そこには私が冷や汗掻いてまで見つけたかった氏名だ。

「おっ!良かったじゃない。」
「うん……あっ、一条君も一緒だよ。」
「っ!……。」
「良かった、じゃー佐伯君以外は皆また一緒だ。」
「うん、私たちついてるね、巴ちゃん!」
「……。」

歓喜に溢れる私、けど彼女から返事はなく。

「?巴…ちゃん?」
「……あ!?あぁーうん!またいつもの4人組ね、はっはぁー♪」
「……。」

何処かぎこちない彼女。

「わひゃっ!?」

すると不意に彼が私の手をぎゅっと握る、その手はとても暖かく。

「…ずっと、一緒だよ。」

優しい笑みを私に向ける。

「……うんっ!」



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