湿ってる…湿ってるよ、-1
「今日のご飯も美味しかったね、セリナちゃん。」
「だね。フウカちゃんはどれが一番だった?」
「どれも美味しかったけど…白ご飯かなあ。私って、変?」
「変じゃないよ。実は私もそうなんだ。」
「へえ、やっぱり気が合うね、私たち。」
「うん!」
私はフウカちゃんの唇をじっとみつめた。
「…え、何?」
彼女は少し目を伏せ、恥ずかしそうに訊いてきた。
「よっぽど美味しかったんだね。」
「?」
「ご飯粒、付いてるよ。」
「ええー!」
慌てて取ろうとするフウカちゃんの手を掴んで止めた。
「私が取ってあげるよ。」
フウカちゃんに顔を近づけていった。彼女の濡れたような瞳がじっと私を見つめている。
10センチぐらいに近づいたところで私は一気に距離を詰め、フウカちゃんの唇をペロっと舐めた。
「あ…。」
フウカちゃんはせつなげな息を漏らした。
「へへ!ご馳走様。」
「ちょ、ちょっと、セリナちゃん…。」
「なかなか美味しいお米だよね。」
「あ、うん…。」
私は彼女から離れ、窓際へ移動した。
「ねえ、フウカちゃん。」
「なに?」
窓の枠に手を突き、腰をかがめて外を眺めた。
「こっち、おいでよ。」
「うん。何か見えるの?」
真っ暗な外を背景にした窓ガラスには、私の後ろに立っているフウカちゃんの姿がくっきりと写っている。
彼女の視線は…遠慮がちに私の浴衣の裾にそそがれている。
「いいんだよ、見ても。遠慮しないでさ。」
「え…。」
窓ガラスに写ったフウカちゃんと目を合わせた。
「浴衣の裾を捲ってパンティを引きずり降ろす。そうすれば、私のそこが見える。簡単だよ。」
「な、なに言ってるの…。」
私は視線を外さずに言った。
「中学の野球部に同じ日に入部してから何年経ったと思う?」
「えーと…。」
「いやあのね、具体的な年数じゃなくて。随分長い付き合いよね、って意味。」
「あ、うん。」
「気づかないとでも思ったの?」
「!」
フウカちゃんは口に手を当て、半歩下がった。
「…私は、私は…。」
ポロリ、と彼女の目から一筋の涙が流れ落ちた。
「私はもう、ボールを投げてたんだよ。フウカちゃんだって気付いてたでしょ?温泉であんな格好をしたり、浴衣で足を組んだり、わざと線の浮きだしやすいパンティでユニフォームを着たり。」
「…でも、もしも私の勘違いだったら…。」
「友達としての私も失う、って?」
コクリ、と彼女は頷いた。
「なに言ってんのよ。フウカちゃんが私の体をそういう目で見て、たとえ私がそれを受け入れなかったとしても。それで終わるような軽い付き合いだったの?私たちってさ。」
フウカちゃんの濡れたような…いや、本当に濡れた瞳から、二筋目の涙が零れ落ちた。
「さあ。来て…。」
フウカちゃんは立ち止まったまま逡巡している。
「まだ怖い?」
「だって…」
「しょうがないなあ、もう!」
私は窓ガラスに写ったフウカちゃんに見せつけるように浴衣の後ろを捲り上げた。
「セ、セリナ…ちゃん!」
「さあ、何が見える?」
フウカちゃんの唇が微かに震えている。
「…お、お尻の間に…薄い水色のパンティが深く挟まってる。底が見えないくらいに深く。」
「それから?」
「そ、その下には…あ、少し湿って…る?」
「そう。フウカちゃんには分かるよね、女の子だから。それがどういうことか。」
彼女は黙ってうなずいた。
「これが私の答。だから…。もう真夜中に自分で自分を慰めながら泣かなくってもいいのよ、フウカちゃん。」
フウカちゃんは両目をガっと見開き、顎を震わせた。
「み、み…」
「うん、見たよ。」
彼女はガクっと膝を突いた。
「ホントはね、心を決めかねていたの。もうボールを投げてた、なんてさっきはカッコつけて言ったけどね。へへっ。」
「セリナちゃんも…迷ってた…。」
私は大きく頷いた。
「でもね、ゆうべのフウカちゃんの姿を見て迷いが消えた。心が決まったの。」
私はフウカちゃんの方へあらためてお尻を突き出した。
「さあ見て。もう一度よく見て。大事な友達だからその気も無いのに相手をしてる、とかだったらこうはならないでしょ?」
フウカちゃんは後ろから私を見つめた。
「湿ってる…湿ってるよ、セリナちゃん!セリナちゃんが、こんなに湿ってる…。」
「そうだよ、フウカちゃん。私のここはあなたのものになりたくてこんなことになってる。今度はフウカちゃんが答をくれる番だよ。」
フウカちゃんはしっかりと立ち上がり、私の背後に歩みより、片膝を突いて私のパンティに手を掛けた。
「私はもうあなたのもの。見ても触っても舐めてもいいんだよ。さあ。」
「うん、セリナちゃん。セリナは、私のものよ!」
バサッ。
フウカは私のパンティを一気に引きずり降ろした。