湿ってる…湿ってるよ、-2
「ああ、セリナ…。」
彼女は私のその部分を至近距離でじっと見つめ、両手の親指で広げ、舌を這わせた。
「う、ううっ…。」
「感じるの?ねえ、感じるの?セリナ。」
「うん。感じる…よ、フウカ。あなたの舌が私の…ああ、そんな所を這い回っているのを、はっきりと感じるの。なんて、なんて…。今、私のカラダは最高に…悦んでるよ。」
窓ガラスには、私のお尻に顔を潜り込ませ、長い髪を振り乱しているフウカの姿が写っている。
ああ私、フウカに愛撫されてるんだ。夢か現実か区別のつかないような気分の中、私はそう思った。
「ね、セリナ。」
「ん、なに?」
彼女は視線で布団を示した。
私たち二人は無言で立ち上がり、手をつなぎ合って布団に向かった。
「セリナ、あなたは私のもの。だから。」
フウカは私の帯を解き、浴衣をパサリと布団の上に落とした。
そしてブラのホックを外し、肩ひもを降ろし、私の胸を露出させた。
「ここも、好きにしていいの?」
「うん、そうよ、フウカ。したいように…して。」
スーっと。フウカの手のひらが私のお腹を這い回り、それは徐々に上へ上へと登っていった。そしてその手は、持ち上げるようなしぐさで私の膨らみを撫で上げた。
「あ、あはぁ…。」
「ここも、感じるのね?」
「そうだよ。フウカになら、どこに何をされても感じてしまうみたい。」
フウカは柔らかさを確かめるように私の胸を撫でまわし、その間中私は小さく声を漏らし続けた。
「フ、フウカ…。」
私はようやくそれだけ言って彼女の手を止めた。
「ん…?」
「私ばっかり責められるわけ?」
「え?」
「私もする。さあ、脱いで。」
「ちょ、ちょっとぉ、恥ずかしいよ、セリナちゃん。」
「ダーメ。エースで四番でオマケにキャプテンの言うことが聞けないの?」
「だってぇ。」
「私だけこんなかっこさせるの?」
「う…それはそうだけど。」
「しょうがないなあ。」
「ごめん…。」
「なんであやまるのよ。」
フウカちゃんはどうしようもないくらい恥ずかしそうにモジモジしている。
うーむ。あ、そうか。
私は壁の方に歩いていき、電灯のスイッチを切った。
「あ…。」
「ね、これで恥ずかしくないでしょ?」
「…うん。」
ほとんど何も見えない部屋の中に衣擦れの音だけが流れた。それは、躊躇いこそすれ迷いのないものだった。
「いいよ…。」
私はわずかな灯りを頼りにフウカちゃんが居たあたりに戻った。
暖かく柔らかいものに手が触れた。
「フウカ…。」
囁いて抱きしめた。
「セリナ…。」
私よりちょっとだけ低い所にある彼女の頭を撫で、顎を持ち上げて口付けた。
舌を入れるとき、フウカは少し体を固くしたが、すぐに受け入れてくれた。
「んん…。」
「んふぅ…。」
重ねた唇の隙間から息を漏らし、背中を撫で合いながら胸の先端を擦り付け合っていると、それらはすぐにコリっと硬くなった。
「こんなふうになっちゃったね。」
「フウカのせいだぞ。こうしてやる。」
私はフウカの腰を引き寄せ、体を揺すった。
触れ合っている二人の下腹部がカサカサと音をたてた。
「ふふ、くすぐったいよ、セリナちゃん。」
「そうだね。」
もう一度舌を絡ませ舐め合いながらフウカのお尻を撫で上げた。野球で鍛えたそれは、よく引き締まりながらも表面は吸い付くようにしっとり滑らかで、私は思はず強く掴んでしまった。フウカが小さな息を漏らし、撫で返してきた。
「ね、」
「うん。」
二人は両手を握り合い、見つめ合いながらゆっくりと座って布団に入り、並んで横になった。