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狐の婿入り
【獣姦 官能小説】

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狐の婿入り-1

1.
 国土の70%が山と言われる日本の、或る地方都市に隣接する里山があった。
 近くには清流が流れ、夏には蛍が田畑の畦や用水路の上を乱れ飛んだ。時には街のビルの屋上の花壇にまで、飛んで来た。
 そんな里山の渓流沿いの土手に、横穴を掘って狐の家族が住んでいた。
 親狐夫婦と、人に例えたら18歳になる娘狐と、悪戯盛りの7歳、5歳の雄狐兄弟。
 普段は狐の姿をしているが、街に出るときは人間に化けた。この狐家族は、現代では珍しく、人に化ける術を先祖から受け継いできた。
 「お姉ちゃん、ハロウインに連れてっておくれよ」
街の子供から聞いたのか、弟たちが姉にせがんだ。
「いいわよ、その代わりちゃんとおねえちゃんの言うことを聞いて、大人しくするのよ」
「わーい、やったー」
二匹の兄弟は、ぴょンぴょン跳ね跳び、尻尾を振って大喜び。

 10月31日、日が山の尾根に掛かる頃、人間に姿を変えた3匹の姉弟は浴衣に着替え、レジ袋を片手に、手をつないで街に通じる小川の木橋を渡った。

 橋の影から、3匹のこの様子を見送っている影があった。
 山の頂近くの洞窟に住む狼男だ。普段は人間の姿をしているが、満月の夜には山の尾根に登り、月に向かって雄叫びを上げて、自分の存在を誇示した。
 両親を早くに亡くし、天涯孤独の身で、近くに付き合う狼族の存在も無かった。
 寂しい身の上に、時折見かける人の姿をした狐の娘の美しさに、想いを寄せていた。


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