朝食-4
ちづるは立ち上がると
カチャカチャとテーブルの
お皿を片付けて流しに運ぶ。
エプロンをつけて、
お皿洗いを始めようとする。
タクミが後ろ姿を眺めると
ちづるの耳が真っ赤になっていた。
「 、 、 、 、、。」
ちょーー っと
イジメすぎた、、、かな?
「ちづちゃーーーん?
怒った? 」
「 、 、 、、、 別に 」
「ごめんって〜〜 」
「 、 、 、 、、別に
怒って ない、、。 」
タクミは立ち上がると
ちづるの側に行く。
背後に立って
後ろからちづるを抱きしめる。
ちづるは
濡れた手でスポンジを持ったまま、
ピタリと止まった。
「 ちぃーちゃん。
ごめんごめーーん 」
「 、 、、別に、、
怒って ないってば、、。
、、、、、、、、結婚。
失敗してるのに、、。
それに、別れる時に、、
そんなに辛い思い してないのに
大変さを言うのも、、、
おかしいって、分かってるし 」
「 ! へ〜〜
ちぃちゃん、凄いじゃーん。
よく分かってるね〜〜 」
タクミは
ちづるの頭を撫でながら言う。
ちづるは、
うつむいて黙ってお皿を
眺めていた。
しばらくすると、
タクミが離れようとする
気配を背中から感じ取る。
思わず慌てて言う。
「 っ でも! 私 、 、」
「 ん? 」
「 私は 、 、、 」
「 、、、なぁに ?」
あ、。
離婚の事は
まだ触れられたく
なかったか?
「 〜っ おねしょは
してないよ、、! 」
「 、 、 は? 」
「 〜っ だって、、
前の時は、前日に
そういう行為をしてた時
だった気がするし
今日のだって
〜っ 、、そういう
行為 してる時の、、
夢だったんだよ?
でも 私は ちゃんと 」
「 、、〜っ、ちゃんと? 」
笑うな
笑うな!! 俺 、!
堪えろ
「ちゃんと、、 、
きゅっ て 」
「 きゅって? 、、っ 」
なにこの会話
〜っ 〜っ
ぁーーーーーー
わ ら う な 〜っ !
「 、 、 、だから、
止めたから 」
「 、っ うん? 」
「だから、、、して ない。 」
「 、、、 っ うん。 」
どうにか
耐えたぞ、俺
よく頑張ったわ
、 、 、 、、。
に、しても
「変わんないね、、、。」
「 ぇ? 」
「ちづちゃんは、、、
変わんないなーって。」
「 ? 、 、? 」
「ふふ、、、
『漏らしちゃった事
誰にも、いわないで』 」
「、、? 、 ぁ 。」
「思い出しちゃった〜 」
「、 、 、、、。 」
「最近そういうの、
本当言わないね〜〜
ちづちゃん、、、、。 」
「 ぇ? 」
「もう、口止めしなくていいの?」
「! 、、、うん。
だって
タクミ君は、、、
言わないから。 」
「 、 、、 、、。 」
ちづるは静かにそう言うと、
お皿洗いを始めた。
タクミは
お皿洗いの邪魔をしないように
その場を離れてもう1度イスに
座ったが、色々と考えながら
ちづるの後ろ姿を眺めていた。